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不立文字
ふりゅうもんじ
作家
作品

直木三十五

【南国太平記】

「よく、剣禅一致と申すことを聞きまするが、不立文字ふりゅうもんじにて、生死を超越する境地は、剣も、禅も同じと致しまして、昨夜の、馬鹿と申された一喝、その気合の鋭さは、剣客の気合とても遠く及ばぬ気魄が、迸っておりまして、某の腹の中へも、ぐゎーんと響いて、暫く、呆然としておりました。最初に、何んの用か、と、やさしく聞いて、敵の意表にで、後に虚を衝いての一喝、その虚実の妙――」

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倉田百三

【学生と先哲 ――予言僧日蓮――】

当時の仏教は倶舎、律、真言、法相、三論、華厳、浄土、禅等と、八宗、九宗に分裂して各々自宗を最勝でありと自賛して、互いに相排擠はいせいしていた。新しく、とらわれずに真理を求めようとする年少の求道者日蓮にとってはそのいずれをとって宗とすべきか途方に暮れざるを得なかった。のみならず、かくまちまちな所説が各々真理を主張することが真理そのものの所在への懐疑に導くことはいつの時代でも同じことであった。あたかもソクラテスの年少時代のギリシアのような状態であった。実際それらの教団の中には理論のための理論をもてあそぶソフィスト的学生もあれば、論争が直ちに闘争となるような暴力団体もあり、禅宗のように不立文字を標榜して教学を撥無するものもあれば、念仏の直入を力調して戒行をかえりみないものもあった。

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原勝郎

【鎌倉時代の布教と當時の交通】

また禪宗の如きも教外別傳と云ふからには、爾餘の鎌倉佛教と同日に論じられぬものの如くにも見えるけれども、其手數を必要とせず、つまり直指人心で、階級制度に拘泥することなき點に於て、慥に天台眞言などよりも平民的なるのみならず、悟入につきて豫備の學問を必要なりとせぬこと、正に新時代の宗派である、唯禪宗が不立文字を呼號しながら其實は立文字の極端に流れ易く、それ故に其感化は武士に止まつて、それ以下の下級人民にあまり行はれなかつたのは面白き現象といはなければならぬ。

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石川三四郎

【浪】

「ボンズ(坊主)とクレチャン(基教徒)とが寄つて、アナルシスムの修業をするなんて、東洋でなくては見られない風景だネ」  ルクリュ翁はいかにも興味深げであつたが、マダムはわたしの執えうな基教思想に不滿の面持であつた。 「アナルシストが十字架で惱むなんて、およそ意味がないではありませんか?」  これに對する答はむづかしい。わたしの語學の力では明答し得ない。しかし、既に長い交際が續けられて來たので意は自ら言外に通ずる。不立文字、以心傳心とでもいふところであらう。おぼろげながら、理解は進められた。

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  • それぞれの四字熟語の詳しい意味などは、辞典や専門書でお確かめください。
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Last updated : 2024/06/28