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父子相伝
ふしそうでん
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作家
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作品
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【李陵】
父が死んでから二年ののち、はたして、司馬遷は太史令の職を継いだ。父の蒐集した資料と、宮廷所蔵の秘冊とを用いて、すぐにも
父子相伝の天職にとりかかりたかったのだが、任官後の彼にまず課せられたのは暦の改正という事業であった。この仕事に没頭することちょうど満四年。太初元年にようやくこれを仕上げると、すぐに彼は史記の編纂に着手した。遷、ときに年四十二。
稿を起こしてから十四年、腐刑の禍に遭ってから八年。都では巫蠱の獄が起こり戻太子の悲劇が行なわれていたころ、
父子相伝のこの著述がだいたい最初の構想どおりの通史がひととおりでき上がった。これに増補改刪推敲を加えているうちにまた数年がたった。史記百三十巻、五十二万六千五百字が完成したのは、すでに武帝の崩御に近いころであった。
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Last updated : 2024/06/28