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市松模様
いちまつもよう |
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作家
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作品
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芥川龍之介 |
【素戔嗚尊】
その中でも白い隼(はやぶさ)の羽根の矢ばかりは、必ずほかの矢よりも高く――ほとんど影も見えなくなるほど高く揚った。それは黒と白と市松模様(いちまつもよう)の倭衣(しずり)を着た、容貌(ようぼう)の醜い一人の若者が、太い白檀木(しらまゆみ)の弓を握って、時々切って放す利(とが)り矢であった。
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宮本百合子 |
【菊人形】
旅順口はステッセル将軍と乃木大将と会見の場、サア只今! 只今! せり上り活人形大喝采一の谷はふたば軍記! 店々で呼び合う声と広告旗、絵看板、楽隊の響で、せまい団子坂はさわぎと菊の花でつまった煙突のようだった。白と黒の市松模様の油障子を天井にして、色とりどりの菊の花の着物をきせられた活人形が、芳しくしめっぽい花の香りと、人形のにかわくささを場内に漲らせ、拍子木につれてギーとまわる廻り舞台のよこに、これも出方姿の口上がいて、拍子木の片方でそっちを指しながら、右にひかえましたる乃木将軍というような説明をした。
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大阪圭吉 |
【花束の虫】
秋田が声を挙げたも道理、その品と言うのは、今朝三人が屏風浦の別荘を引挙げた時に、比露子夫人の唯一の手荷物であり、秋田自身で銚子駅迄携えてやった、あの派手な市松模様のスーツ・ケースではないか
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寺田寅彦 |
【映画雑感(I)】
情婦ジェニーが市松模様(いちまつもよう)のガラス窓にもたれて歌うところがちょっと、マチスの絵を見るような感じである。 乞食頭(こじきがしら)のピーチャムのする芝居にはどうも少ししっくりしないわざとらしさを感じる。
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コナンドイル |
【グロリア・スコット号】
しばらくすると、おどおどした様子の、小さな干からびたような男が、足を引きずって歩きながらそこに現れた。その男は袖に一ぱいコールタールの汚点のついた、赤と黒との市松模様になった胸のあいたジャケツを着て、水兵ズボンをつけ、ぼろぼろに破れた重そうな靴をはいていた。
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