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一問一答
いちもんいっとう |
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作家
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作品
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太宰治 |
【惜別】
とっさに適切の形容等、私のような愚かな者にはとても思い浮かばず、まごついて、ふと呟(つぶや)いた無意味な形容詞一つが、妙に強く相手の耳にはいって自分の真意を曲解されてしまう事も少くないだろうし、どうも私は、この一問一答は、にがてなのだ。
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太宰治 |
【津軽】
N君は、ひとり熱狂して膝をすすめ膝をすすめ、つひにはその老婦人の膝との間隔が紙一重くらゐのところまで進出して、一問一答をつづけるのである。そろそろ、あたりが暗くなつて来て、これから三厩まで行けるかどうか、心細くなつて来た。
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菊池寛 |
【真珠夫人】
青年は冗談でなく、本当に心から感激しているように云った。母と青年との会話は、自由に快活に馴々しく進んで行った。美奈子は、なるべくそれを聴くまいとした。が、母が声を低めて云っていることまでが、神経のいらだっている美奈子の耳には、 母と青年との一問一答に、小さい美奈子の胸は、 「美奈さん! などと黙っている彼女を、会話の |
林不忘 |
【丹下左膳 乾雲坤竜の巻 】
これは、一人傑。 ととっさに見きわめて、畳のうえに呼び入れて差し向かい、一問一答のあいだに掬(きく)すべき興趣(きょうしゅ)滋味(じみ)こんこんとして泉のよう――とうとう夜があけてしまった。そして、朝日の光は、そこに職分を忘れた奉行と、心底を割った囚人とがともに全裸の人間として男と男の友愛、畏敬(いけい)、信頼に一つにとけ合っているのを見いだしたのだった。
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相馬愛蔵 |
【私の小売商道】
商店経営についての一問一答ある人が来て中村屋の経営苦心談を聴かせてくれというので、一問一答をした。 「中村屋が今日になるまでは数十年という永い歳月をすごしたが、この間よくまたお店の主義をかえられずに来ましたね」 |
夢野久作 |
【少女地獄】
折も折、ちょうどそのさ中に、実に奇妙とも不思議とも、たとえようのない事件が彼女を中心にして渦巻(うずま)き起って、遂に今度のような物凄い破局に陥ったのであった。しかもその破局のタネは彼女自身が撒(ま)いたもので、すでに彼女が私の処に転がり込んだ最初の一問一答の中に、その種子(たね)が蒔(ま)かれていたのであった。
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宮本百合子 |
【獄中への手紙 一九三九年(昭和十四年)】
けさは、ひるすこし前からはじまって、二十枚ばかりの原稿になる口述しました。『婦人画報』一問一答。若い女のひとの生活について。二十枚ぐらいそのまま文章になるように話すのはくたびれます。咲枝、もう出産が迫って来たので重さや何かで腰が苦しがっている、それをすこしなでてやって。そしてまことに奇妙な手紙よみました。
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