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一利一害
いちりいちがい |
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作家
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作品
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夏目漱石 |
【三四郎】
野々宮は、ついまじめになった。すると原口が例の調子で、「罪がない代りに、たいへん計算がめんどうになってきた。やっぱり一利一害だ」と言った。この一言(いちごん)で、人々はもとのとおりビールの気分に復した。広田先生が、こんな事を言う。 「どうも物理学者は自然派じゃだめのようだね」 |
岡本綺堂 |
【綺堂むかし語り】
鉛筆は折れ易くて不便であるので、どの人も小さい毛筆を用いていました。従って、矢立(やたて)を持つ者もあり、小さい硯(すずり)と墨を使っている者もあり、今から思えばずいぶん不便でした。しかしまた、一利一害の道理で、われわれは机にむかって通信を書く場合はほとんど無い。 |
相馬愛蔵 |
【私の小売商道】
ここに一例を申しますと、鶏卵でありますが、在来の鶏は一年間に七八十個の玉子より産みませんが、今日行わるる改良種は平均百八十個産みます。ところが一 利一害は免れぬものでありまして産卵の少ない在来種の玉子は滋養分も多く、味もはるかに勝り、黄味は実に濃厚であります。
店(うち)の者がうちの食べものを知らないでは困るからというので食べさせたら、非常に喜んだけれども、もう九十人になると、宅へ来た時のように、いろいろ名乗るわけにもゆかないので、一利一害がある。 |
鳥谷部春汀 |
【明治人物月旦(抄)】
彼は政党の勢力を認識する政治家なるを以て、比較上政見相接近したる自由党に入りたるのみ、其一利一害の多少は、要するに彼れの思想と自由党との調和の度合如何に由れり
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