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一族郎党
いちぞくろうとう |
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作家
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作品
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太宰治 |
【右大臣実朝】
今を時めく平家の御威勢も恐れずこれをかくまひ申し、百人にも足らぬ一族郎党をことごとく献じて、伊豆の片隅に敢然と源家の旗をひるがへさせたお方は、余人ではございませぬ、
お若いながらも御如才のない故将軍家は、出発に先立ち北条氏の一族郎党を煩をいとはずひとりひとり順々に別室へお招きになつて、汝ひとりが頼みだ、とおつしやいましたさうで、 いきほひの赴くところ、まことに、やむを得ないものと見えます。五月二日の夕刻、和田左衛門尉義盛さまは一族郎党百五十騎を率ゐて反旗をひるがへし、故右大将家幕府御創業このかた三十年、この鎌倉の地にはじめての大兵乱が勃発いたしました。 いまは詮方なしと三軍が力を合せて御ところに攻め入る事になつたとか、御ところ方に於いては匠作泰時さまが御大将となつて一族郎党を叱咤鞭撻なされ、みづからも身命を捨て防戦につとめて、終夜相戦ひ、 |
坂口安吾 |
【二流の人】
官兵衛にはまだ父親が健在であつた。そこで一族郎党を父につけて、之(これ)を秀吉の陣に送り約をまもる。自分は単身小寺の城へ登城して、強いて臣節を全うした。
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岡本かの子 |
【鯉魚】
ところが、それからだんだん国元の様子が父に不利になって来て、近頃(ちかごろ)ではまるっきり音沙汰(おとさた)もありません。噂(うわさ)には一族郎党(ろうとう)、ほとんど全滅(ぜんめつ)だとの事です。
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中里介山 |
【大菩薩峠 竜神の巻】
「それに比べては僭越(せんえつ)であるが、建武(けんむ)の昔、楠正成卿が刀折れ矢尽きて後、湊川(みなとがわ)のほとりなる水車小舎に一族郎党と膝を交えて、七生(しょう)までと忠義を誓われたその有様がどうやら、この場の風情(ふぜい)と似ているではないか」
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横光利一 |
【春は馬車に乗って】
「そりゃ分っているわ。そこをあたし、黙ってして貰いたいの」「そうだ、まあ、お前の看病をするためには、一族郎党を引きつれて来ておいて、金を百万円ほど積みあげて、それから、博士を十人ほどと、看護婦を百人ほどと」 |
海野十三 |
【爬虫館事件】
「僕が有力なる容疑者というお見立ですな」北外はニヤリと笑った。「さてお尋(たず)ねの時間に於(おい)ては、この室内に僕一人が残っていた――とこう申上げると、貴方は喜ばれるのでしょうが、実はその時間フルに、一族郎党(いちぞくろうとう)ここに控(ひか)えていたんです。それというのが、十一時四十分頃に、けだものの弁当の材料が届くことになっていまして、室からズラかることが出来ないのです」
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