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威風堂堂/威風堂々
いふうどうどう
作家
作品

森鴎外

【渋江抽斎】

留守居も物頭も独礼(どくれい)の格式である。平時は中下(なかしも)屋敷附近に火災の起(おこ)るごとに、火事装束(しょうぞく)を着けて馬に騎(の)り、足軽数十人を随(したが)えて臨検した。貞固はその帰途には、殆ど必ず渋江の家に立ち寄った。実に威風堂々たるものであったそうである。

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芥川龍之介

【木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)】

図南の鵬翼既に成れり。是に於て、彼は戦鼓を打ち旌旗を連ね、威風堂々として、南信を出で、軍鋒の向ふ所枯朽を摧くが如く、治承四年九月五日、善光寺平の原野に、笠原平五頼直(平氏の党)を撃つて大に破り、

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藤島武二

【画室の言葉】

 これはたとえていえば、人間の場合でも同じことである。いかに恰幅がよく容貌が魁偉であっても、その人にエスプリがなければ、真に威風堂々とは見られな いであろうし、如何に器量がよくてもエスプリのない女は美人とは言い得ないわけである。姿態や顔貌は、絵でいえば画面の表面のことで、それを生かすものは 結局人間のエスプリであるに外ならない。

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萩原朔太郎

【詩の原理】

しかし国民性の本質が、内奥に於て如何(いか)にその外観とちがっているかは、かの日清(にっしん)・日露等の役(えき)に於ける兵士の軍歌(雪の進軍と、此処(ここ)は御国を何百里)が、歌曲共に、哀調悲傷を極めているに見ても解る。一方でドイツの軍歌「ラインの守」が、いかにリズミカルで勇気に充ち、威風堂々としているかを見よ。日本人がもし真に好戦的だったら、ああした哀調悲傷の歌曲は、決して行進の軍歌として取らないだろう。

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坂口安吾

【明治開化 安吾捕物 その五 万引家族】

咲子の知りそめた書生のころとは打って変って、日に日に貫禄がついてくるから、咲子も案外な思い、あらためて、たのもしくも、いとしくもなる思いであっ た。結婚したてのころとちがって、正司を訪ねてくる人は、立派な大紳士、大紳商という見るからに威風堂々たる人々で、正司はそれらの人々と何のヒケ目もな く談議している。若僧だけに、甚だひき立って、大紳士にもまして立派に見える。

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牧野信一

【緑の軍港】

 旗艦「山城」が、一等巡洋艦「鳥海」「高雄」「摩耶」「愛宕」航空母艦「赤城」以下、第十驅逐隊「狹霧」「漣」「曉」を隨へ、仄かなる春の霞みが岬の彼 方に煙り初めたとは云へ、未だ如月の夢深い曙の波を蹴立てゝ、威風堂々、○○方面を指して遠洋航海の碇を卷いたのは、あの翌朝のことであつた。

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宮本百合子

【藤棚】

 その室のとなりに教員室があり、子供たちにとって、教員室というところは、なみなみの思いでは入って行けない別世界であった。一人でさえ威風堂々たる先 生たちが、二列に並んだ塗テーブルに向いあってぞっくりとかけて居られ、その正面には別に横長テーブルがはなれて置かれていた。

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国枝史郎

【郷介法師】

 そこで将門は引き出された。丈高く肥え太り、鬣荒く尾筒長く、生月(いけづき)、磨墨(するすみ)、漢の赤兎目(せきとめ)もこれまでであろうと思われるような、威風堂々たる逸物であったが、岡郷介は驚きもせずひらりとばかり跨(またが)るとタッタッタッタッと馬場を廻る。

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ニコライ・ゴーゴリ
平井肇訳

【外套】

さて、くだんの有力者の態度や習慣は、なかなかどっしりして、威風堂々たるものであったが、しかしいささかこうるさいところがあった。

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愛知敬一

【ファラデーの伝 電気学の泰斗】

この間に科学の研究をし、ことに火薬の研究が有名で、ローヤル・ソサイテーの会員にも推選された。一七八二年には、大佐に任命されて、アメリカにおる英国の騎兵隊の総指揮官になり、威風堂々とニューヨルクに繰り込み独立軍と戦いに来た

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佐藤紅緑

【ああ玉杯に花うけて】

 赤地にしきの直垂(ひたたれ)に緋縅(ひおどし)のよろい着て、頭に烏帽子(えぼし)をいただき、弓と矢は従者に持たせ、徒歩(かち)にて御輿(みこし)にひたと供奉(ぐぶ)する三十六、七の男、鼻高く眉(まゆ)秀(ひい)で、目には誠忠の光を湛(たた)え口元には知勇の色を蔵(ぞう)す、威風堂々としてあたりをはらって見える。

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木下尚江

【火の柱】

 ハイ――と警(いまし)むる御者(ぎよしや)の掛声勇ましく、今しも一輌(りやう)の馬車は、揚々として霞門(かすみもん)より日比谷公園へぞ入り来(きた)る、ドツかと反(そ)り返へりたる車上の主公は、年歯(ねんし)疾(と)くに六十を越えたれども、威風堂々として尚(な)ほ鞍(あん)に拠(よ)つて顧眄(こべん)するの勇を示す、三十余年以前は西国の一匹夫(いちひつぷ)、今は国家の元老として九重(こゝのへ)雲深き辺(あたり)にも、信任浅からぬ侯爵何某(なにがし)の将軍なりとか、

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小栗虫太郎

【黒死館殺人事件】

ハハハハ、無双の人よ! 冀(こいねがわ)くは、威風堂々(マエステヴォルメンテ)とあれ!」と相手の策謀を見透かして、レヴェズは痛烈な皮肉を放った。そして、早くも警戒の墻壁(しょうへき)を築いてしまったのである。しかし、法水は微動もせぬ白々しさで、いよいよ冷静の度を深めていった。

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Last updated : 2024/06/28