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異国情調 いこくじょうちょう 外国らしい風物が作り出す雰囲気や気分。 [昭和前期まで「異国情調」が、昭和後期からは「異国情緒」が一般に使われだした。(「大辞泉」:小学館)] |
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作家
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作品
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岸田國士 |
【演劇本質論の整理】
実際、今日までの新劇の「西洋臭さ」は、誰がみても、少しどうかしていたと云えないこともない。が、それは、僕が常に云う如く、西洋劇の「西洋的」なるものを尊重し、その「演劇的」なる部分を疎んじた結果、「西洋臭さ」のみが目についたのだろうと思われる。殊に翻訳劇と称するものに於ては、俳優は「西洋人」になることに汲々とし、台本は日本語らしくない白に充たされ、装置は異国情調に富むを以てよしとされ、演出家は洋式作法にのみ心を配っている様子であった。が、それはそれとして、日本の新劇も、西洋劇というお手本がなかったら、どんなことになったであろう。これはちよっと想像の及ばない問題である。
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和辻哲郎 |
【古寺巡礼】
極東における文化の絶頂、諸文化融合の鎔炉、あらゆるものを豊満のうちに生かし切ろうとした大唐の気分は、全身を濃い雰囲気のごとくに包んでいる。それは異国情調を単に異国情調に終わらしめない。憧憬を単に憧憬に終わらしめない。人の心を奥底から掘り返し、人の体を中核にまで突き入り、そこにつかまれた人間の存在の神秘を、一挙にして一つの形像に結晶せしめようとしたのである。
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有島武郎 |
【或る女 (前編)】
葉子は |
中里介山 |
【大菩薩峠 恐山の巻】
女はもう、しんとして聴き「マドロスさん、何という曲だかわたしは全くわからないが、聞いていると泣けてしまってよ、泣かずにはいられなくなってよ」 |
宮本百合子 |
【春桃】
こういう風趣の作品を書いた作者落華生が、コロンビア大学、オクスフォード大学に遊学して、専門は印度哲学の教授であるというのは面白い。余技のように作品を書いて来ていて、初めの頃は異国情調や宗教的色彩の濃いロマンティシズムに立つ作品であったという人が、一九三四年七月の『文学』にこの「春桃」を発表した。新しい中国の知識人として、彼が享けた西欧の教養が、初めは漫然とヨーロッパ文明に対する東洋というものを意識させ、彼の作品が余技であれば尚更のこと異国情調という程度に止っていたのだろう。 |
吉井勇 |
【老境なるかな】
その後与謝野寛先生の主宰する新詩社に入り、「明星」に歌を出すようになったが、そうなると私の歌に対する情熱は日毎に高まり、明治四十年七月与謝野先生、北原白秋、木下杢太郎、平野万里等と九州へ旅行をした時以来、切支丹遺跡探訪から得た異国情調に対する憧憬は、自由主義的外国文学の影響もあって、短歌の封建性を破ることに専念するようになった。
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国枝史郎 |
【沙漠の古都】 明日はこの国ともおさらばだ。東洋と西洋とを一つに |
小酒井不木 |
【国枝史郎氏の人物と作品】 そうして私は自分の探偵眼の |
海野十三 |
【人造人間事件】 その夜も、彼はただ一人で、冷い |
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