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四字熟語  を     表示  件
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隠忍自重
いんにんじちょう
作家
作品

菊池寛

【小説家たらんとする青年に与う】

 そういう青年時代は、ただ、色々な作品を読んで、また実際に、生活をして、自分自身の人生に対する考えを、的確に、築き上げて行くべき時代だと思う。もっとも、遊戯として、文芸に親しむ人や、或は又、趣味として、これを愛する人達は、よし十七八で小説を書こうが、二十歳で創作をしようが、それはその人の勝手である。いやしくも、本当に小説家になろうとする者は、すべから隠忍自重いんにんじちょうして、よく頭を養い、よく眼をこやし、満を持して放たないという覚悟がなければならない。
 僕なんかも、始めて小説というものを書いたのは、二十八の年だ。それまでは、小説といったものは全く一つも書いたことはない。紙に向って小説を書く練習なんか、少しも要らないのだ。

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久保栄

【熱情の人】

もちろん、現在の資本主義社会機構のもとにおける新劇常設館としての築地小劇場が、その活動範囲ないし演目選定方針において、ただちに一部左翼的な演劇理論家を満足せしめるようなポリチカル・シアタアとしての傾向を帯びなかったとしても、これらの左翼理論家の痛罵を浴びながら、なおかつ、隠忍自重して多難な新劇劇場の経営に努力し、他日の大成に資すべき幾本かの貴重なくいを打って行かれたところに、先生の劇場人としての現実的な悩みと偉大な感情と意志とがあることを、誰が拒み得よう。

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佐藤垢石

【呉清源】

「私は、一つの信念を持つてゐます。たとへ蒋介石が日本に征服されたとて、私が日本を征服してその仇を取つてやるといふ信念を持つてゐます。私は、この痩せ腕で武器を執つて血を見る戦争の術は知らないけれど、私は碁の闘ひを持つてゐます。遠からず私が、日本の棋界を征服して凱歌を揚げて故郷中国へ帰つて行く、その確信です。蒋介石よ、その日がくるまで隠忍自重してさうして最後に溜飲を下げて貰ひ度い。といふ念願です」

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横光利一

【琵琶湖】

近江商人といふものは、自国では繁栄せずに、他国へ出て成功するのが特長であるのも、いろいろな原因もあるであらうが、一つは湿気をはらんだ湖の空気に、身も心も胆汁質に仕上げられ、怒りを感ぜず、隠忍自重の風が自然と積上つて来てゐるためかもしれぬ。この観察は勿論滑稽こつけいなところがあるが、絶えず飽和してゐる気圧の中に住つてゐる住民の心理は、乾燥した空気の中にゐる住民よりも、忍耐心の強くなる事は事実である

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  • それぞれの四字熟語の詳しい意味などは、辞典や専門書でお確かめください。
  • このサイトの制作時点では、三省堂の『新明解 四字熟語辞典』が、前版の5,600語を凌ぐ6,500語を収録し、出版社によれば『類書中最大。よく使われる四字熟語は区別して掲示。簡潔な「意味」、詳しい「補説」「故事」で、意味と用法を明解に解説。豊富に収録した著名作家の「用例」で、生きた使い方を体感。「類義語」「対義語」を多数掲示して、広がりと奥行きを実感』などとしています。

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Last updated : 2024/06/28