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音信不通
いんしんふつう
おんしんふつう
作家
作品

夏目漱石

【虞美人草】

「これでも昔は親類も二三軒はあったんだが、長い間 音信不通いんしんふつうにしていたものだから、今では居所も分らない。不断はさほどにも思わないが、こうやって、半日でも寝ると考えるね。何となく心細い」

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泉鏡花

【縁結び】

「ああ、そうですか、じゃあ里に られなすったお なんですね。 音信不通 いんしんふつう という風説だったが、そうですか。――いや、」

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中島敦

【光と風と夢】

我儘わがままな一人息子は、年歯とし三十にして初めて自活――それもファニイとその子供迄養う決心をして、英国を飛出した。父子の間は音信不通となった。一年の後、何千 マイル隔てた海と陸の彼方で、息子が五十セントの昼食にも事欠きながら病と闘っていることを人伝ひとづてに聞いたトマス・スティヴンスン氏は、流石さすがに堪えられなくなって、救の手を差しのべた。

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国木田独歩

【非凡なる凡人】

父の山気を露骨に受けついで、正作の兄は十六のとしに家を飛びだし音信不通行方ゆきがた知れずになってしまった。ハワイに行ったともいい、南米に行ったともうわさせられたが、実際のことは誰も知らなかった。

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島崎藤村

【ある女の生涯】

家も捨て、妻も捨て、子も捨て、不義理のあるたけを後に残して行く時の旦那の道連には若い芸者が一人あったとも聞いたが、その音信不通の旦那の 在所ありかが何年か後に遠いところから知れて来て、わずかに手紙の往復があるようになったのも、丁度その頃だ。

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岡本かの子

【蝙蝠】

祖父に似て派手で血の気の多い長男は、海外へ留学に出たままずっと帰らない。実直で父親似と思った次男は、思いがけない芸人で、年上の恋人が出来、それと 同棲どうせい するために、関西へ移ったまま音信不通となった。母親の羽がいの最後の力は、ただ一人残った末子の皆三の上に あつめられた。

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織田作之助

【面会】

ある朝、一通の軍事郵便が届けられた。差出人はSという私の旧友からで、その手紙を見て、はじめて私はSが応召していることを知ったのである。Sと私は五年間音信不通で、Sがどこにどうしているやら消息すらわからなかったのである。

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  • それぞれの四字熟語の詳しい意味などは、辞典や専門書でお確かめください。
  • このサイトの制作時点では、三省堂の『新明解 四字熟語辞典』が、前版の5,600語を凌ぐ6,500語を収録し、出版社によれば『類書中最大。よく使われる四字熟語は区別して掲示。簡潔な「意味」、詳しい「補説」「故事」で、意味と用法を明解に解説。豊富に収録した著名作家の「用例」で、生きた使い方を体感。「類義語」「対義語」を多数掲示して、広がりと奥行きを実感』などとしています。

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Last updated : 2024/06/28