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異類異形
いるいいぎょう |
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作家
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作品
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芥川龍之介 |
【地獄變】
「待つてゐるから、この車へ乘つて來い――この車へ乘つて、奈落へ來い――」と云ふ語がそれと同時に、喉をしめられるやうな呻き聲に變つたと思ひますと、やつと良秀は眼を開いて、針で刺されたよりも慌しく、矢庭にそこへ刎ね起きましたが、まだ夢の中の |
太宰治 |
【津軽】
衣冠にて馬上に見ゆるもあり、或は竜に乗り雲に乗り、或は犀象のたぐひに打乗り、白き装束なるもあり、赤き青き色々の出立にて、其姿も亦大なるもあり小きもあり、異類異形の仏神空中にみちみちて東西に飛行し玉ふ。我々も皆外へ出て毎日々々いと有難くをがみたり。
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泉鏡花 |
【陽炎座】
これの合図に、相馬内裏(そうまだいり)古御所(ふるごしょ)の管絃。笛、太鼓に鉦(かね)を合わせて、トッピキ、ひゃら、ひゃら、テケレンどん、幕を煽(あお)って、どやどやと異類異形が踊って出(い)でた。
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泉鏡花 |
【燈明之巻】
しかし、硝子(がらす)を飛び、風に捲(ま)いて、うしろざまに、緑林に靡(なび)く煙は、我が単衣(ひとえ)の紺のかすりになって散らずして、かえって一抹(いちまつ)の赤気(せっき)を孕(はら)んで、異類異形に乱れたのである。
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泉鏡花 |
【湯女の魂】
「その時はどんなに可恐(おそろ)しゅうございましょう、苦しいの、切ないの、一層殺して欲しいの、とお雪さんが呻(うめ)きまして、ひいひい泣くんでございますもの、そしてね貴方、誰かを掴(つかま)えて話でもするように、何だい誰だ、などと言うではございませんか、その時はもう内曲(うちわ)の者一同、傍(そば)へ参りますどころではございませんよ、何だって貴方、異類異形のものが、病人の寝間にむらむらしておりますようで、遠くにいて皆(みんな)が耳を塞(ふさ)いで、突伏(つッぷ)してしまいますわ。
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夢野久作 |
【一足お先に】
今度は標本ばかり並べた数列の棚の間に出るのであったが、換気法がいいせいか、そんな標本特有の妙な臭気がチットモしない。大小数百の瓶に納まっている外科参考の異類異形(いぎょう)な標本たちは、一様に漂白されて、お菓子のような感じに変ったまま、澄明なフォルマリン液の中に静まり返っている。
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