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意志薄弱
いしはくじゃく |
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作家
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作品
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下村湖人 |
【次郎物語 第三部】
しかし、この時ほど真実味をもって彼の胸をうったこともなかったのである。これまでに彼が考えて来た人間の弱さというのは、普通に謂ゆる意志薄弱とか、臆病とかいったような意味以上のものではなかった。
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太宰治 |
【男女同権】
へんな事を言うようですが、私はこれでも、結婚にあたって私のほうから積極的に行動を開始した事は一度も無く、すべて女性のほうから私のところに押しかけて来るという工合で、いや、でもこれは決してのろけではございません。女性には、意志薄弱のダメな男をほとんど直観に依(よ)って識別し、これにつけ込み、さんざんその男をいためつけ、つまらなくなって来ると敝履(へいり)の如く捨ててかえりみないという傾向がございますようで、私などはつまりその絶好の獲物であったわけなのでございましょう。
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石川啄木 |
【弓町より】
いい方がだいぶ混乱したが、一括(かつ)すれば、今までの詩人のように直接詩と関係のない事物に対しては、興味も熱心も希望ももっていない――餓(う)えたる犬の食を求むるごとくにただただ詩を求め探している詩人は極力排斥(はいせき)すべきである。意志薄弱なる空想家、自己および自己の生活を厳粛(げんしゅく)なる理性の判断から回避している卑怯者、劣敗者の心を筆にし口にしてわずかに慰めている臆病者、暇ある時に玩具(おもちゃ)を弄(もてあそ)ぶような心をもって詩を書きかつ読むいわゆる愛詩家、
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坂口安吾 |
【安吾巷談 麻薬・自殺・宗教】
結局中毒などというものは、入院してもダメである。一種の意志薄弱から来ていることであるから、入院して、他からの力や強制で治してみても、本来の意志薄弱を残しておく限りは、どうにもならない。入院療法は、治るということに狎(な)れさせるばかりで、たいがい再中毒をやらかすのは当然だ。結局、自分の意志力によって、治す以外に仕方がない。
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佐藤垢石 |
【酒渇記】
どうぞ、禁酒を断行してください、と貞節のほどを示したのである。すると劉伶は、にっこりと笑って妻君に向かい、よく分かった。けれど、俺は意志薄弱で自分の心だけでは、禁酒の契を実行できそうもない。
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豊島与志雄 |
【庶民生活】
「そうですとも、大丈夫、なりませんよ。」「いったい、この頃、たいていの者はみな、精神のバランス、釣合いを失っていて、そのため、意志薄弱になっていますね。酒を飲みすぎるのも、意志薄弱、猫いらずを飲むのも、意志薄弱のせいでしょう。」 おばさんは頬の肉を少し固くした。 |
尾崎放哉 |
【俺の記】
学校に行くのは、生徒会員でなくとも、生徒会員であつても行くのだ。生徒会が無けらねば、学校へ行かないと云ふ奴は、余程の馬鹿では無いか。禁酒会員なるものは、意志薄弱会、とでも改名した方がいいだらう
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