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一紙半銭
いっしはんせん |
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作家
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作品
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神西清 |
【雪の宿り】
また、五山の衆徒に申し下されて、四条五条の橋の上にて大施餓鬼(せがき)を執行(しゅぎょう)せしめられましたところ、公儀よりは一紙半銭の御喜捨もなく、費(つい)えは悉(ことごと)く僧徒衆の肩にかかり、相国寺のみにても二百貫文を背負い込んだとやら。花の御所の御栄耀(ごえよう)に引きくらべて、わたくし風情(ふぜい)の胸の中までも煮えたつ思いが致したことでございます。
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中里介山 |
【大菩薩峠 弁信の巻】
我々生きとし生けるものの一刻も無かるべからざる太陽の光、出で入る息のこの大気、無限に流るるこの水――こういうものに対して、その恩恵を誰も感謝するものはないのに、一紙半銭の値には涙を流してよろこぶ。偉大なる徳は忘れられるところに存する――というようなことを、あのお喋りが喋って聞かせたことがある。 |
中里介山 |
【大菩薩峠 流転の巻】
「それつらつら、おもんみれば、大恩教主の秋の月は涅槃(ねはん)の雲に隠れ……」勧進帳の読上げも凜々(りんりん)たる調子を張って、満場をシーンとさせました。 「一紙半銭の奉財のともがらは、この世にては無比の楽(らく)にほこり、当来にては数千蓮華(すせんれんげ)の上に坐せん、帰命稽首(きみょうけいしゅ)、敬(うやま)って白(まお)す」 |
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