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一死報国
いっしほうこく |
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作家
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作品
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菊池寛 |
【大衆維新史読本 池田屋襲撃】
近藤の意見では、公武合体、即ち鞏固なる挙国一致内閣で攘夷すべしと云ふのである。勤皇攘夷、公武合体説であつた。彼はこの主義の為に、一死報国の念に燃えてゐたのであるから、新撰組が単なる非常警察と考へられるのには、大いに不満でもあつたらしい。 |
坂口安吾 |
【安吾巷談 東京ジャングル探検】
新聞が書きたてることができず、誰も批判を発表することを許されなかった時代には、報道をウノミにして事の実相を気付かず、批判自由で新聞が書きたてる時代に至って報道通りのことを発見して悲憤コーガイ憂国の嘆息をもらすという道学者は、目がフシ孔で、自分の目では何を見ることもできない人だ。口に一死報国、職域報国を号令しつつ腐敗堕落無能の極をつくしていた軍部、官僚、会社の上ッ方にくらべれば、敗戦焼跡の今日、ごく限られたパンパン男娼の存在の如きは物の数ではあるまい。 |
海野十三 |
【空襲葬送曲】
艦隊の戦士たちは、言葉もなく、潮風(しおかぜ)にヒラヒラとひらめく信号旗の文句を、心の裡(うち)に幾度となく、繰返し読んだ。「建国二千六百年のわが帝国の存亡(そんぼう)此(こ)の一戦に懸る。各兵員夫(そ)れ奮闘せよ」 おお、やろうぜ! さア、闘おうぞ! 大和民族の腕に覚えのほどを見せてやろう。 一死報国! 猪口才(ちょこざい)なりメリケン艦隊! ――各艦の主砲は、一斉にグングン仰角(ぎょうかく)を上げて行った。 |
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