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一子相伝
いっしそうでん |
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作家
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作品
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森鴎外 |
【渋江抽斎】
初め独美は曼公(まんこう)の遺法を尊重する余(あまり)に、これを一子相伝に止(とど)め、他人に授くることを拒んだ。然るに大阪にいた時、人が諫(いさ)めていうには、一人(いちにん)の能(よ)く救う所には限(かぎり)がある、良法があるのにこれを秘して伝えぬのは不仁であるといった。
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小出楢重 |
【楢重雑筆】
即ち私のガラス絵描法というのは決して一子相伝(いっしそうでん)法の秘法ではありません。自分勝手な、便利な方法に過ぎないのでありますから、もっといい方法があれば何時(いつ)でも私は教わりたいのであります。
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石川三四郎 |
【農民自治の理論と実際】
彼等は毎日遊んでゐて専ら自分の研究を続けることも出来れば、他のいろんな高等な学術の研究に没頭することも出来る様になります。徳川時代までは薬や剣術等にこの秘伝、或は一子相伝などが多かつたことは皆さんが御存知の通りであります。
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宮本百合子 |
【文学上の復古的提唱に対して】
由来、剣道、能楽などの秘伝は、最後は直感、綜合的なこの勘で、悟入し得る手がかりを様々の抽象的な云いまわしや象徴的な比喩で書きあらわしたものと思える。ところで、剣道の流派というものも、能楽も昔は一子相伝的で、特に刀鍛冶など、急所である湯加減を見ようと手など入れればその手を斬り落される程のものであったと云われている。
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江見水蔭 |
【死剣と生縄】
竜次郎は其捕縄に就いても興味を持ち、退屈凌ぎに写本は残らず読んで、それから益々研究心を起こして、実地をお鉄に就いて学んだので有った。「これでも一子相伝ですが、貴郎(あなた)にですから伝授しましょう。併し昼間はどんな事が有っても授けられぬと、ちゃんと禁じて有りますから、真夜中に教えて上げましょう」 教える為にはお鉄が捕縄を捌(さば)いて、竜次郎を縛りもした。又お鉄が竜次郎に縛られもした。 |
佐々木味津三 |
【右門捕物帖 七七の橙】
ひと吹きで大の男をのめらした手並みから察するに、おそらく下手人は今いった三人のうちのどやつかから一子相伝の奥義皆伝でもうけた娘か妹か、いずれにしても身寄りの者にちげえねえんだ。
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