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一旦緩急
いったんかんきゅう |
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作家
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作品
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新渡戸稲造 |
【教育の目的】
日露戰爭に日本の海軍が大勝利を博し、東郷大將が大名譽を得られた。明治の歴史に是れほどエライ人は無いと云ふことをば、大工の子供も聞いて居る。それに倫理の講堂では、一旦緩急あらば、義勇公に奉じ云々と毎々聞いて居る。それで彼等に、之は陸上に居つたとて詰らない。小屋だの料理屋だのを建てゝ居るよりも、おれも一つ海軍に入つて、第二の東郷に成らうと云ふ野心の起ることがありとしても、それは無理がない。
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与謝野晶子 |
【婦人も参政権を要求す】
国家は国民全体の勤務に依って支持されて行くものです。国家は国民全体の協力の中に生存し発達して行くものです。一旦緩急あれば義勇を以て公(即ち国家)に奉ずるのみならず、個人が日々の勤労は直接または間接に国家のために計っているのです。
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菊池寛 |
【貞操問答】
「大方、こんなことだろうと思ったのよ。だから、私いやだったのに、圭子姉さんたら、否応(いやおう)なしに私に押しつけるんだもの。ご免なさいね。でも、二階へ上げて、話した方がいいわ。お店で話しているところへ、前川さんが、ひょっくり来ようものなら、たいへんなことになってしまうじゃないの。だから、私下にいて、前川さんがはいって来たら、善後策講ずるわ。」子供だと思っていると、一旦緩急の場合には、相当頭の働く美和子の顔を、新子は少し呆れて見つめていると、 「そんなに悲しがることないわ。お姉さん、勇気を出しなさいよ。構わないじゃないの。よしんば、前川さんに、どんなことをしてもらっているにしろ、お姉さんがあの奥さんに、責任を持つことないじゃないの。ねえ、勇気を出して、会っていらっしゃい。下手(へた)に、謝ったりしたら、いやよ。堂々と、戦いなさいよ。」 |
石原莞爾 |
【最終戦争論・戦争史大観】
しかし未だ真に徹底したとは称し難い。学校教練終了を幹部候補生資格の条件とするのは主義として賛同出来ぬ。「文事ある者は必ず武備がある」のは特に日本国民たるの義務である。親の脛をかじりつつ、同年輩の青年が既に職業戦線に活躍しある間、学問を為し得る青年は一旦緩急ある際一般青年に比し遥かに大なる奉公の実を挙ぐるため武道教練に精進すべきは当然であり、国防国家の今日、旧時代の残滓とも見るべきかくの如き特権は速やかに撤廃すべきである。
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