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汗牛充棟
かんぎゅうじゅうとう |
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作家
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作品
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森鴎外 |
【訳本ファウストについて】
訳本に何物をも書き添えないと云うことは、ほとんど従来例の無い事かと思う。しかしこれには単に訳本をして自ら語らしめる、否訳文をして自ら語らしめると云う趣意ばかりで無く、別に理由がある。大抵訳本に添えて書くべき事は、原書の由来とか原作者の伝記とか云うもので、その外は飜訳の凡例のような物であろう。その原書の由来と説明とは、所謂ファウスト文献、一層広く言えばギョオテ文献があって、その汗牛充棟ただならざる中にいくらでもある。現に昨年あたりから出たものだけでもエンゲルだとか、トラウトマンだとか、シャアデだとか、流布本ばかりでも沢山ある。
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中里介山 |
【大菩薩峠 白骨の巻】
「感心に手入れの怠りがないのみならず、分類の方法がといいながら、駒井は一学の手から提灯を受取って、 もし、管理者が一学でなかったら、この書物は、どうなっているか知れない。紛失はしていないまでも、 |
桑原隲藏 |
【大秦景教流行中國碑に就いて】
兔に角古代のキリスト教關係の古碑といふので、早くから世界の注意を惹き、あらゆる支那の古碑中でも、一番世界的に有名となつて居る。明末に發掘されて以來、今日までこの古碑の歴史や解釋に關する著書や論文は、殆ど汗牛充棟といふ有樣で、歐米方面の文獻は、大略ヘレル(Heller)の『西安府のネストル教碑』に紹介されて居り
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岡本綺堂 |
【中国怪奇小説集 開会の辞】
明治以前の文学や伝説を研究するには、どうしても先ず |
木村荘八 |
【小杉放庵】
思ふにその二十代の小杉さんは、五百城先生の門について絵だけでなく漢籍詩文の素読から叩れた骨がモノをいふと共に、向上心に富む求道の心常に熾んな人の、それが懐ろ手をしてたゞ絵の勉強だけをして居ればよい小杉少年ではなかつた以上、先づ印刷刊行のものに向つて絵の仕事をすること、同時に文の仕事をすることが、小杉さんの前に展ける一路の公道であつたらうことは、極めて自然だつた。それで小杉さんは大いに、草画を描きまた大いに文章をかいたのである。小杉未醒が当時雑誌や単行本で「かきまくつた」ものの数は、汗牛充棟もたゞならないとよくいふ、正に今これをぞつくりと目の前に積まれゝば、驚くべき嵩になるだらう。逆にこれを今から歴史風にいひ返せば、わが「小杉未醒」はそれでさしゑ及び漫画の先達といふことになつてゐるけれども、これは若い小杉さんの当時ひとりでに迸つた才能だつた。 |
木下杢太郎 |
【京阪聞見録】
後に無理に陳列室の内へ入れて貰つたら、手に觸るる事の出來ない玻璃の陳列棚の中に「浪華歳時鏡」「新板豐年拔參宮」「道頓堀出がはり姿なにはのみそ(?)いせのおしろい」「新町根里毛農姿番組」「なにはぶり」「浪華青樓志」「大阪新町細見圖」「淀川兩岸勝景圖會」「畫本四季の友」といふやうな風俗畫の畫本が並べられてあつた。かかる種類の本は、安永天明から天保の頃にかけて江戸には汗牛充棟も
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