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官尊民卑
かんそんみんぴ |
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作家
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作品
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正岡子規 |
【従軍紀事】
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島崎藤村 |
【夜明け前 第二部下】
「ホ、ここにも民有の権を継続してとあるナ。この書類はしばらくおれが借りて置く。よく読んで見る。」ひとりになってからの半蔵は繰り返しその請願書に目を通した。木曾のような |
新渡戸稲造 |
【平民道】
米国がデモクラシーの国というのは共和政治なるが故ではない、彼らがまだ独立をしない即ち英国王の司配の |
宮本百合子 |
【今日の日本の文化問題】
日本の「私小説」はドイツの二十世紀はじまりに現われた「私小説」とは違った過程をもった。日本の社会が、封建的絶対主義につつまれてきていたために、「私小説」は個性の完成に伴う、より広くゆたかな社会的生存と、そこに集積されてゆく人間的経験の文学表現とはなり得なかった。官尊民卑の日本の社会で、文学者は一種の「よけい者」であった。文学者の生活環境は、孤立していて、政治にも実業にも、文化一般の活動にさえも参加しなかった。
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岸田國士 |
【日本に生れた以上は】
官尊民卑の思想についていろいろの人が云ひ出した。これはわが国の社会的弊風であつて、それを弊風と気づき、批難攻撃するもののうちに、なほ、官尊民卑的気質を反映してゐる場合が多いのはどうしたわけか。「官」のなすところ、悉くこれに反対するといふのは、もつと文化の一般水準が高まつた時にこそ、意義のある(或は威勢の好い)ことである。現在日本のやうに、芸術も科学も、更に文学でさへも、アカデミスムの恩恵によつて近代的洗礼を受けた事実を目の前にして、アカデミスムの否定に急なるは甚だ偏狭で、幼稚な考へ方である。現代日本の選ばれた人々は、もう暫く辛抱して「官」を利用し、誘導し、為すべきを為さしむべきである。アカデミスムに対する恐怖は、期待の大き過ぎるところから来るので、これこそ官尊民卑の思想である。
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小林一三 |
【アーニイ・パイルの前に立ちて】
輝かしい戦功にともなう物語は、読者をして充分に満足せしめたであろう。然しながら、その数量において、上長官は兵士軍属の何十万分の一にすぎないのである。米国国内に於ける出征軍人の消息を待ちこがるるその家族の数も亦然り。即ち、その大多数を満足せしめたる青年記者アーニイ・パイルの通信は、米国大多数の出征家族をして感謝せしめ、礼讃せしめたのである。流石に民主主義の本家である米国としては、最大多数によって感謝せられたる代表的新聞記者としてのアーニイ・パイルを表彰すべく、この劇場に命名したることは、わが国のごとき一将功名成って万骨枯るるを怪しまざる官尊民卑の風習に対して、善い教訓であると思うのである。
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戸坂潤 |
【一九三七年を送る日本】
政治の強権化は日本の一般民衆にとってはそんなに不思議なことでも損失でもないかのようである。経済的依存主義と政治的事大主義(昔は官尊民卑と呼ばれた)とは日本民衆の特色の一つで、之が日本型ファシズムの日本型たる所以をなす条件だ。この点、ここ数年来を通じて、そして特に本年度後半期の軍事的体制への転向に際して、定式通りに実証された処である。つまり今年という年は、日本型ファシズムの社会的実地踏査に、極めて有利な材料を提供したようなもの
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