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完全無欠
かんぜんむけつ |
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作家
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作品
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永井荷風 |
【江戸芸術論】
かくて浮世絵に関する著述は千八百九十六年の |
石川啄木 |
【雲は天才である】
私共がまだ師範学校で勉強して居た時分、其頃で早や四十五円も取つて居た小原銀太郎と云ふ有名な助教諭先生の監督で、小学校教授細目を編んだ事がありますが、其時のと今のと比較して見るに、イヤ実にお話にならぬ、冷汗です。で、その、 |
菊池寛 |
【小学生全集に就て(再び)】
今度の仕事は、自分も仕事そのものゝ壮快さと重大さとのために、働いてゐるので、若しある程度以上の予約者がなく、仕事が失敗に了るやうであつたら、一銭の報酬もとらないつもりである。しかし、各方面の同情を得て、収支が償ふだけの予約者があつたならば、凡てを放擲してその編輯に当り、完全無欠なる小学生全集をつくり上げたいと思つてゐる。
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正岡子規 |
【読書弁】
自分の読書の慾も少しは此域に達し、此慾の為にならば多少は生命を減消するもかまはぬとの考を起したり。自分は固より朝に道を聞て夕に死を恐れざる聖人にもあらず、又此世に生を受けし限りは人間の義務として完全無欠の人間に近づかんといふが如き高尚なる徳を有するものにはあらねども、自分も亦沐猴にあらず、鸚鵡にあらず、食ふて寝ておきて又食ふといふ様な走尸行肉となるを愧づるものなれば、数年前より読書の極は終に我身体をして脳病か肺病かに陥らしむるとは万々承知の上なり。
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折口信夫 |
【大嘗祭の本義】
すめみまの命の御身体に、天子霊が完全に這入つてから、群臣が寿言を申すのだ。寿言を申すのは即、魂を天子様に献上する意味である。群臣等は、自分の魂の根源を、天子様に差し上げて了ふのだ。此程、完全無欠な服従の誓ひは、日本には無い。寿言を申し上げると、其語について、魂は天子様の御身に附くのである。
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寺田寅彦 |
【学位について】
学位の出し惜しみをする審査員といえども決して神様でない限り、その人の昔の学位論文が必ず完全無欠なものとは限らず、ノーベル賞に値いするほどの大発見でもないのであろう。しかし人間は妙なものである。
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国木田独歩 |
【富岡先生】
女子の特質とも言うべき柔和な穏やかな |
木村荘八 |
【鏑木さん雑感】
そこで恐れ気もなくいへば、先生の再び三度びこの円朝像の「汗」を画いて頂きたいことを。先生はどうかすると余り先生の美しい神経をいたはり、完全無欠の趣味性に澄み渡るあまり、その写されるニンゲンを清掃なさり過ぎはしまいかと思ふ。
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岡本かの子 |
【扉の彼方へ】
「つまり、私があんまり完全無欠に女を愛し切ろうとしたためです。あの種の女に取ってはそういう男の熱情がただ圧制とばかり感じられて、死にもの狂いの反抗心を起させると見えます。こんなことを人に話しても判って貰えないかも知れませんが……」
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岸田國士 |
【戯曲の翻訳】
ここで「書き直す」といふ言葉を使つたのは理由がある。翻訳者の多くは、原文を頭から完全無欠なものと心得てゐるであらうから、まあ問題はないのであるが、時たま、ある原文の一箇所が、どうも面白くない。寧ろ、かう云ひ直した方が面白いと思ふやうなことはないだらうか。
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