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荊妻豚児
けいさいとんじ |
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作家
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作品
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宮本百合子 |
【獄中への手紙 一九四〇年(昭和十五年)】 「北極飛行」読み終り。いい本というものをよんだうれしさです。たくさんいろんなことが考えられます。仔熊の約束をする子供たちのことその他、この著者は家族というものを、平静な、均等なボリュームで、ちゃんと自分たちの生活のなかに出しているでしょう、私はあの点でもいろいろ感にうたれました。家族というものについての感覚がここでは何とひろく、公然とそして社会的な自信をもって扱われ、存在していることでしょう、私は実に愉快に感じました。ここには生活の日常的の明るさが最も合理的なものの上に立って、あきらかに在って、この筆者は私たちのぐるりのような荊妻豚児的家庭の感情ももっていないし、公のことと私のこととを妙に区別した一昔前の新しさもなくて、何と全統一の感じがあるでしょう。
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