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犬馬之労/犬馬の労
けんばのろう |
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作家
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作品
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有島武郎 |
【惜みなく愛は奪う】 社会はお前をそんなことをして、お前が外部の圧迫の下に、虚偽な生活を続けている間に、何時しかお前は私をだしぬいて、思いもよらぬ聖人となり英雄となりおおせてしまうだろう。 |
太宰治 |
【創作余談】 私は、私の最初の短篇集『晩年』二百四十一頁を、たった三夜で書きあげた、といったら、諸兄は、どんな顔をするだろう。また、あれには十年たっぷりかかりまして、と殊勝らしく伏眼でいったら、諸兄は、どんな顔をするだろう。そこの態度を、はっきりきめていただきたい。天才の |
坂口安吾 |
【街はふるさと】 まず青木の頭にひらめくのは自分自身のことであるが、記代子はすでに物の見方がよほど変化している。結婚によって青木が記代子を幸福にする条件は、すでに失われているようであった。しかし、下僕として犬馬の労をつくしてやることによって、哀れサンタンたるこの娘を多少とも安全地帯へ誘導することができるなら、一文の得にならなくとも、思い出として決して不快なものではないだろう。 |
豊島与志雄 |
【オランウータン】 「なに、登山……、すると、スキーもやるわけだね。それは元気があって、大によろしい。」――私は何度もうなずいてみせた。「そこで、本社にはいる以上は、献身の覚悟で以てやってくれんければならんが、その辺はどうかね。」――私は大きく小首を傾げてみせた。 「犬馬の労を取るつもりです。」 「うむ。それもよろしいが、犬馬の労といっても、やはりその、礼儀を守らなければいかんし……そう、そこに帽子があるから、ちょっと、取ってみてくれ給え。」 |
鳥谷部春汀 |
【明治人物月旦(抄)】 誰れか窃に華族の前途を憂へざるものあらむや唯だ時の内閣に忠勤を励むを以て華族の本分なりと誤想し、俗吏の頤使を受けて、犬馬の労を執るものあるに至て、華族の体面幾ど地に墜ちたりと謂ふ可し此くの如き華族にして安ぞ能く皇室の藩屏たるを得むや
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宮本百合子 |
【刻々】 「ふむ。――私は飽くまであなた方を憎むね。あんなおっとりした若い娘を煽動してストライキに引こんだのは誰の仕業かね?」「ストライキをしていた時、あの父親はやめさせて呉れと警察へたのみはしなかった。会社がたのんだ。警察は会社のために犬馬の労をとったのだ。――そうでしょう? あの親父さんの本心では、どうして呉れる! と叫んで来たのだ」 それぎり黙りこみ、新聞を読み出した。が、自分の心は深い一点に凝って、暫く動かなかった。 |
国枝史郎 |
【郷介法師】 「私事は浮田の家臣岡郷介と申す者、 |
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