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疑心暗鬼
ぎしんあんき
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作家
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作品
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【破戒】
所謂
疑心暗鬼といふ奴だ。耳に聞える幻――といふのも
少許変な言葉だがね、まあ左様いふことも言へるとしたら、其が今夜君の聞いたやうな声なんだ。
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【小田原陣】
気持ちが滅入って来ると、疑心暗鬼を生じて来る。前には松田憲秀の様なスパイ事件もあるし、機敏な秀吉は此の形勢を見て、盛んに調略、策動をやった。
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【HUMAN LOST】
二日。
誰も来ない。たより寄こせよ。
疑心暗鬼。身も骨も、けずられ、むしられる思いでございます。
チサの葉いちまいの手土産で、いいのに。
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【半七捕物帳 廻り燈籠】
まるで大根か漬菜でも仕入れて歩いているような始末で、まったく大笑いです。つまり疑心暗鬼とかいう譬えの通りで、怖いと思っているから、少し怪しい奴が立ち廻ると、それが金蔵らしく思われるのです。
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【化け物の進化】
伝聞するところによると現代物理学の第一人者であるデンマークのニエルス・ボーアは現代物理学の根本に横たわるある矛盾を論じた際に、この矛盾を解きうるまでにわれわれ人間の頭はまだ進んでいないだろうという意味の事を言ったそうである。
この尊敬すべき大家の謙遜な言葉は今の科学で何事でもわかるはずだと考えるような迷信者に対する箴言であると同時に、また私のいわゆる「化け物」の存在を許す認容の言葉であるかとも思う。
もしそうだとすると長い間封じ込められていた化け物どももこれから公然と大手をふって歩ける事になるのであるが、これもしかし私の疑心暗鬼的の解釈かもしれない。
識者の
啓蒙を待つばかりである。
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【宮本武蔵 火の巻】
「――のう、お通阿女よ、なんで汝れは、ばばの姿を見るとそのように逃げるのじゃ。以前、三日月茶屋でもそうじゃったが、今も、わしを鬼かのように、すぐ逃げなさる。――その心得が、そもそも解せぬというもの。この婆の心底がわからぬかいの。そなたの思い違いじゃ、疑心暗鬼じゃ、ばばは決して、そなたなどに害意は持たぬ」
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Last updated : 2024/06/28