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勤倹力行
きんけんりっこう
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作家
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作品
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【夜明け前 第二部上】
また、あの細みを愛する。彼は養子らしいつつしみ深さから、自分の周囲にある人たちのことばかりでなく、みずから志士と許してこの街道を往来する同時代の人たちのあの度はずれた興奮を考えて見ることもある。驚かずにはいられなかった。伊那の谷あたりを中心にして民間に起こって来ている実行教(富士講)の信徒が、この際、何か特殊な勤倹力行と困苦に
堪えることをもって天地の恩に報いねばならないということを言い出し、一家全員こぞって種々な難行事を選び、ちいさな子供にまで、早起き、はいはい、掃除、母三拝、その他飴菓子を買わぬなどの難行事を与えているようなあの異常な信心ぶりを考えて見ることもある。これにも驚かずにはいられなかった。
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【大阪を歩く】
所謂、檀那様、お家はん、であって、番頭が一切をやっていて、薄暗い所に、一日、徒然なのが、町人である。そして、これは、江戸の町人とも共通していて、ちがうのは言葉だけ――いいや、本当の、上等の、江戸っ子は、決して、べらんめえではない。しとやかな言葉である。
所が、悪貨は、良貨を駆逐すの原則通り、檀那はんは、だんだん伊勢の丁稚上りに圧倒され、丁稚は、ひたすらに勤倹力行して成功し、とうとう、その風が大阪中へ拡がって、こすいとか、
厚釜しいとか、野暮とか、しみたれとか、いろいろの悪評を蒙るようになったが、これ、田舎者のせいだ、断じて、大阪人は、そうでは無いのである。
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Last updated : 2024/06/28