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気息奄奄/気息奄々
きそくえんえん |
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作家
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作品
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夏目漱石 |
【現代日本の開化 ――明治四十四年八月和歌山において述――】
体力脳力共に吾らよりも
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坂口安吾 |
【FARCEに就て】
一体、人々は、「空想」といふ文字を、「現実」に対立させて考へるのが間違ひの元である。私達人間は、人生五十年として、そのうちの五年分くらいは空想に費してゐるものだ。人間自身の存在が「現実」であるならば、現に其の人間によつて生み出される空想が、単に、形が無いからと言つて、なんで「現実」でないことがある。実物を掴まなければ承知出来ないと言ふのか。掴むことが出来ないから空想が空想として、これほども現実的であるといふのだ。大体人間といふものは、空想と実際との食ひ違ひの中に気息奄々として(拙者なぞは白熱的に熱狂して――)暮すところの儚ない生物にすぎないものだ。この大いなる矛盾のおかげで、この
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中島敦 |
【盈虚】
原の一隅に、不思議と、人家らしいもののかたまった一郭が見えた。公は漸く其処迄辿り着き、気息
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岸田國士 |
【戦時下の文化運動 ――九州地方講演筆記――】
即ち彼等の文化は、既に理想を失つた国々の気息奄々たる文化であると思ふのであります。辛うじてその文明が、民族の力を支へてゐるにすぎない。いかに精緻巧妙な衣を纏うてをりましても、人間の慾望が神の前に屈しないといふことはないのであります。その証拠に彼等多くの国々は、文明の奴隷たるにすぎない有様になつてをるのであります。
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岡本綺堂 |
【中国怪奇小説集 続夷堅志・其他】
女は |
西尾正 |
【放浪作家の冒険】
腹がさっぱりするまでかなりながい時間がかかった。さて部屋にかえろうと廊下をもどってゆくうちに、さっきまがった角がわからなくなってしまった。とにかくかんで、さいしょの階段ににかよったところまででたが、なにぶんひろい家なので、ここだと確信はできない。酔いがさめたためにかえって勝手のわからなくなることはよくある。まごまごすればよけいまよいこんでしまいそうなので、なんとかなるだろうという気で、眼のまえの階段をあがっていった。廊下をはさんでおなじような部屋がふたつ、むかいあってならんでいる。たしか左の部屋だったと、無造作にあけようとした瞬間、その部屋のなかから、
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久生十蘭 |
【顎十郎捕物帳 稲荷の使】
葉いちめんに灰色や黒の斑点が出来て艶がなくなり、ぐったりと葉を垂れて、いわば、気息
庄兵衛の狼狽ぶりは目ざましいほどで、せっせと水をやったり |
北條民雄 |
【いのちの初夜】
二列の寝台には見るに堪えない重症患者が、文字どおり気息
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永井荷風 |
【江戸芸術論】
雪中の光景もまた |
田畑修一郎 |
【医師高間房一氏】
男の顔は泥と血で汚れ、かすり傷が一面についてゐた。顎の所にかなりひどい裂傷があり、血糊が固くこびりついてゐた。どこか打撲傷をうけたらしく、一見したところ
二人が男を抱き起して、レザア張りの診察台へつれて行つた。男は殆どされるまゝになつてゐたが、身体は案外自由が利くらしく片手をつかつて横になつた。そして又もやぱつちりと眼を開け、不安さうに房一を見上げた。 |
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