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喜色満面
きしょくまんめん |
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作家
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作品
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泉鏡花 |
【義血侠血】
「なんですねえ、いやに改まってさ。そう、そんなら私の志を受けてくださるの?」美人は喜色満面に 「お世話になります」 |
菊池寛 |
【ある抗議書】
彼の手にかかった被害者のすべてが、無念の中に悲憤の中に、もだえ死、もがき死んだにも拘わらず彼坂下鶴吉は、欣々然として絞首台上に立ち、国家の刑罰そのものに対してなんらの恐怖を示さず、何等の羞恥をも示さず、 |
久生十蘭 |
【黒い手帳】
一、それからまた三日ほどしてから、なにかの用事で夫婦のところへ行くと、発育不良の子供面が待ちかまえてでもいたようにいそいそと椅子から立ってきた。「喜んでください。ぼくたちは餓死しないでもすみそうですよ。いやひょっとすると大金持になるかも知れないんです。まアこれを読んでごらんなさい」 いわば、喜色満面といった風情で、前日の夕刊をさしつけてよこした。なんにしても結構な話にちがいないから、それはよかったといいながら、 |
宮本百合子 |
【明るい海浜】
「フライ、フライ!」悌が最も素直に一同の希望を代表して叫び、彼等は喜色満面で食卓についた。ところが、変な顔をして、ふき子が、 「これ――海老?」 |
坂口安吾 |
【明治開化 安吾捕物 その十七 狼大明神】
「あなたの推理は見事でした。もう一つ裏を返して、天狗の顔の神主以外の者が猿田の面をかぶって道中することも、そこに神の介在を考えさせ、探偵たちの考えが彼から遠ざかるという役に立つ手段であることを考える必要があったでしょう。しかし、とにかく、本格的な着想でしたよ」花廼屋は喜色満面、いつまでも無言でニヤニヤ笑っていたが、虎之介はむくれて、これも口をきかなかった。 |
木下尚江 |
【臨終の田中正造】
一、男女二人の養児は、相当の教育を与へて他へ遣はす事。
書中又た述べて曰く。正造には四千万の同胞あり、天は我が屋根、地は我が床なりと。予窃に老父が容易に許可を与へざるべきを思へり。然るに老父是を見て喜色満面、曰く嗚呼能く此言をなせり、汝の志や可し、只だ能く是を貫き得るや否やと。乃ち老筆を揮て古人の狂歌一首を書して予に示す。
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長谷川時雨 |
【モルガンお雪】
――花婿は黒山高帽子に毛皮の |
相馬愛蔵 |
【私の小売商道】
一週に一日あるいは半日の休みを与えて心身を休養せしむるは至当の事といわねばならぬ。我が店員等が明日の楽しさを想像して喜色満面という土曜日の夜は如何に我が店の賑やかなることよ。床屋に走るあり、襦袢の襟をかけ直すあり、あたかもお祭りの前日の如くである。我等はこの有様を見て、昔の我が寄宿時代を思い出し、微笑を禁ずることが出来ない。
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海野十三 |
【浮かぶ飛行島】
ハバノフ大使も、後から立って、同じことを誓った。リット提督は、それをきいて喜色満面、バネ仕掛のように椅子からとびあがって、両巨漢と、いくたびもかたい握手をかわしたのであった。 「ああついに貴国の同意を得て、こんなうれしいことはない。英ソ両国の対日軍事同盟はついに成立したのである。では今より両国は共同の敵に向かって、北方と南方との両方向から進撃を開始しよう」 |
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