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器用貧乏
きようびんぼう |
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作家
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作品
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芥川龍之介 |
【老年】
隠居は |
宮城道雄 |
【五十年をかえりみて】
父をほめるようでおかしいが、学校は中学を出た位であったが知識は広く、何を尋ねても、何をやらせても人並優れていたらしいが、いわゆる器用貧乏というもので、大した成功はしなかった。それどころか、事業に失敗して朝鮮に渡り、朝鮮で賊に会って重傷を負わされたので、とうとう私が朝鮮へ出かけていって、一家をささえなければならない羽目になった。しかし、まだ年もゆかぬ十四、五歳の私の細腕では、いかにお弟子に箏を教えても、六人暮しの家族を充分に養うことはできなかった。それで父がいつも借金取りの断りを言っているのを聞くのが一番辛かった。しかし、貧乏のせいか気持は家族的であった。
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相馬愛蔵 |
【私の小売商道】
結局私は不器用でいわゆる、馬鹿の一つ覚えで、与えられた日々の仕事につとめて来たことが今日あるを得たものと思っている。世の中にあんな才物がどうして成功しないかと不思議に思われるような人物をしばしば見受けるが、どうもこういう人はおおむね己の才に恃んでかえって人に利用され、結局器用貧乏で一生を終わることの多いのは、本人のためにもまた、人物経済上からもはなはだ遺憾なことだと思う。
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小出楢重 |
【楢重雑筆】
昔から器用貧乏と申しまして、ちょっとした絵の一つくらいは描けたり犬小屋くらいはちょっと半日で体裁のいいのを作ってみせたり、ちょっと歌も作れたり、あるいは音曲、手踊、発明にいたるまで何に限らず一応はやってみせるという風の人物はかなり多いものであります。
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