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器用貧乏
きようびんぼう
作家
作品

芥川龍之介

【老年】

 隠居はふささんと云って、一昨年、本卦返ほんけがえりをした老人である。十五の年から茶屋酒の味をおぼえて、二十五の前厄まえやくには、金瓶大黒きんぺいだいこくの若太夫と心中沙汰になった事もあると云うが、それから間もなく親ゆずりの玄米くろごめ問屋の身上しんじょうをすってしまい、器用貧乏と、持ったが病の酒癖とで、歌沢の師匠もやれば俳諧の 点者てんじゃもやると云う具合に、それからそれへと微禄びろくして一しきりは三度のものにも事をかく始末だったが、それでも幸に、僅な縁つづきから今ではこの料理屋に引きとられて、楽隠居の身の上になっている。

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宮城道雄

【五十年をかえりみて】

 父をほめるようでおかしいが、学校は中学を出た位であったが知識は広く、何を尋ねても、何をやらせても人並優れていたらしいが、いわゆる器用貧乏というもので、大した成功はしなかった。それどころか、事業に失敗して朝鮮に渡り、朝鮮で賊に会って重傷を負わされたので、とうとう私が朝鮮へ出かけていって、一家をささえなければならない羽目になった。しかし、まだ年もゆかぬ十四、五歳の私の細腕では、いかにお弟子に箏を教えても、六人暮しの家族を充分に養うことはできなかった。それで父がいつも借金取りの断りを言っているのを聞くのが一番辛かった。しかし、貧乏のせいか気持は家族的であった。

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相馬愛蔵

【私の小売商道】

結局私は不器用でいわゆる、馬鹿の一つ覚えで、与えられた日々の仕事につとめて来たことが今日あるを得たものと思っている。世の中にあんな才物がどうして成功しないかと不思議に思われるような人物をしばしば見受けるが、どうもこういう人はおおむね己の才に恃んでかえって人に利用され、結局器用貧乏で一生を終わることの多いのは、本人のためにもまた、人物経済上からもはなはだ遺憾なことだと思う。

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小出楢重

【楢重雑筆】

 昔から器用貧乏と申しまして、ちょっとした絵の一つくらいは描けたり犬小屋くらいはちょっと半日で体裁のいいのを作ってみせたり、ちょっと歌も作れたり、あるいは音曲、手踊、発明にいたるまで何に限らず一応はやってみせるという風の人物はかなり多いものであります。

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  • それぞれの四字熟語の詳しい意味などは、辞典や専門書でお確かめください。
  • このサイトの制作時点では、三省堂の『新明解 四字熟語辞典』が、前版の5,600語を凌ぐ6,500語を収録し、出版社によれば『類書中最大。よく使われる四字熟語は区別して掲示。簡潔な「意味」、詳しい「補説」「故事」で、意味と用法を明解に解説。豊富に収録した著名作家の「用例」で、生きた使い方を体感。「類義語」「対義語」を多数掲示して、広がりと奥行きを実感』などとしています。

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Last updated : 2024/06/28