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共存共栄 きょうそんきょうえい きょうぞんきょうえい 二つ以上のものが、争うことなく、ともに生き、ともに繁栄すること。 |
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作家
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作品
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岸田國士 |
【泉】
小峯喬が半分は黒岩万五に喰つてかゝるやうな調子で、都会排撃論をひとくさりやり終ると、事務所主任の粕谷は、二人の方へ代る代る正面を切つて、「かういふ議論がどうして今頃通用するのか、僕には、さつぱりわからんのぢや。共存共栄といふのは近頃はやりの言葉ぢやないか。面白いのは、君、この泰平郷に山の家を建てられた方々だよ。知つての通り、決してブルジヨアぢやない。多少の恒産を持つてをられる方もあるが、まつたくさうでない月々の俸給だけで暮しを立てゝをられる方々の方がはるかに多いんだ。われわれが最初の目標をそこにおいた理由はだ、これこそわが国に於ける厚生運動の第一歩だといふ信念を得たからだ。いゝかね、都会に於ける児童と婦人の健康状態をしらべて見給へ。死亡率なんていふものはまだ真実の半分しか語つてゐない。恐ろしいのはたゞ死んでゐないといふだけで、ふらふら飯を食つてゐる人間が如何に多いかといふことだ」 |
坂口安吾 |
【安吾の新日本地理 伊達政宗の城へ乗込む――仙台の巻――】
なんしろ安産の神様だ。戦争に負けたってビクともしないや。人類ある限り人類とともに共存共栄しようという絶対的な神様なんだね。人類とともに、否、人類の苦痛とともに、かね。無痛分娩という調法な術が行われるに至ると、この神様もついに主たる御利益を失うに至るらしい。目下は安産にからまるモロモロ、たとえば結婚式にまでさかのぼッて取り扱い、さてこそ白衣赤袴の娘さんが続々と入用なのだそうだ。
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戸坂潤 |
【世界の一環としての日本】
蒋介石を首班とする中国政府が、支那の資本主義化を目標としている限り、日本の資本制との間の関係は必然に右のような形で「親善」を加えねばならなくなる。列強の資本主義の対立は往々にして簡単に戦争を惹き起こした。併し日本と支那との間には、資本主義の対立は、排日行動や支那側のその取締り声明を除いては、このように着々として親善となり、共存共栄の足場を得つつあるのだ。之は日本資本主義との提携である。
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相馬愛蔵 |
【私の小売商道】
とにかく私は個人商店としての長所を発揮して、百貨店と対抗して行く事を理想として進んで行くつもりで居ります。しかし私は百貨店を目の敵にする次第ではなく、東京だけでも十万戸もある個人商店が、各々その長所によって繁栄を続け、百貨店と共に共存共栄の道を進んで往きたい希望であります。なお、この事に関して種々研究もありますが、あまり専門にわたりますゆえ、話題を転じ二三の所感を話しましょう。 |
種田山頭火 |
【行乞記 (二)】
筍を、肉を、すべてのものをやはらかく料理して下さる奥さんの心づくしが身にしみた(私の歯痛を思ひやつて下さつて)。緑平老は、あやにく宿直が断りきれないので、晩餐後、私もいつしよに病院へ行く、ネロ(その名にふさはしくない飼犬)もついてくる。 緑平居に多いのは、そら豆、蕗、金盞花である、主人公も奥さんも物事に拘泥しない性質だから、庭やら畑やら草も野菜も共存共栄だ、それが私にはほんたうにうれしい。 |
中里介山 |
【大菩薩峠 勿来の巻】
人間に自由を与えるべきものではないのです。自由は人間よりは豚に多く与えらるべきもので、一人の人間に自由を与えると、必ずその結果が他の人間の自由を迫害する結果となる。そのために、天が特に竜之助の如きから両眼の明を奪い、 |
吉川英治 |
【私本太平記 建武らくがき帖】
元々、西園寺家と北条氏とは、遠い |
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