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後生大事
ごしょうだいじ |
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作家
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作品
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徳富盧花 |
【燕尾服着初の記】
懐中には外務大臣子爵青木周蔵、子爵夫人エリサベツトの名を |
太宰治 |
【女の決闘】
鴎外は、ちっとも、むずかしいことは無い。いつでも、やさしく書いて在る。かえって、漱石のほうが退屈である。鴎外を難解な、深遠のものとして、衆俗のむやみに触れるべからずと、いかめしい禁札を張り出したのは、れいの「勉強いたして居ります。」女史たち、あるいは、大学の時の何々教授の講義ノオトを、学校を卒業して十年のちまで後生大事に隠し持って、機会在る毎にそれをひっぱり出し、ええと、美は醜ならず、醜は美ならず、などと他愛ない事を
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坂口安吾 |
【続堕落論】
これが彼の世界聯邦論の根柢で、日本人だの米国人だの中国人だのと区別するのは尚原始的思想の残りに憑かれてのことであり、世界人となり、万民国籍の区別など失うのが正しいという論である。一応傾聴すべき論であり、日本人の血などと称して後生大事にまもるべき血などある筈がない、と放言するあたり、いささか鬼気を感ぜしむる凄味があるのだが、私の記憶に誤りがなければ彼の夫人はイギリス人の筈であり、日本人の女房があり、日本人の娘があると、
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牧野信一 |
【老猾抄】
「……で、こゝに見えたのは何時ごろだつたかね。」財布はこの通り空つぽで、さつきはふり出した――と傍の女が、たしかに彼がさつきあれだけの紙幣を後生大事に収めた財布を私に渡したりするのであつた。 「さあ、六時ごろからでせうか。」 |
伊丹万作 |
【映画界手近の問題】
映画の従業員はまったくおとなしいのである。彼らは天下泰平の夢を見続けて、今に至るまで一つの組合さえ持たなかったのである。愚かな彼らは「芸術家」という一枚の不渡手形を、後生大事とおしいただいて、三十何時間労働というような、他に例のない肉体酷使をあえてしてまで、黙々と会社をもうけさせてきたのである。
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中里介山 |
【大菩薩峠 胆吹の巻】
ただ、ちょっと驚かされたのは、かく |
内田魯庵 |
【家庭の読書室】
勢ひ教課書を機械的に暗誦しなければならんので、実際は広く参考書を読んで大体に通ずるが学問を活かせる所以であるに係らず、部分々々の暗誦をする必要上教課書に噛り付かねばならぬから、今日の学校教育では教課書ばかりを後生大事に読んでれば足りるわけだが、夫れでは学問が死んで了ふ。
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菊池寛 |
【女強盗】
どれでも、気に入ったのを着ろという。男は、思いのままに装束して、その馬に乗り、下人を連れて外出した。その馬もいい馬だったが、下人達も後生大事と仕えてくれるのであった。帰ってくると、馬も下人も女主人に何ともいわれないのに、いつの間にか居なくなった。このように、豊かに何の不自由もなく、二十日ばかり暮していた。
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柳田國男 |
【夢と文芸】
殊に中世の代表者は無能であって、且つそれぞれの人の悩みの為に、新たに空想してやるだけの親切も無かった。一度群衆の好みに投じて、深い感動を与えた経験のある物語は、弟子から弟子に伝えて後生大事に持ち廻って居る。著聞集以来の有名な発心譚、夢に鴛鴦の雌が上の姿で現われて、あわれな歌を吟じて泣いたという話などは、今でも気の毒なほど多くの村の人が、附近に似よった名の古沼さえあれば、皆自分の土地に昔有った事実のように伝えて居る。
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富ノ沢麟太郎 |
【あめんちあ】
戻るに戻れない羽目に |
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