ご利用について
参考書
四字熟語  を     表示  件
このサイトに登録されている四字熟語を検索します。平仮名での検索や一文字からの検索、絞り込み検索などもできます。
五臓六腑
ごぞうろっぷ
作家
作品

夏目漱石

【幻影の盾】

彼の眼は猶盾を見詰めている。彼の心には身も世も何もない。只盾がある。髪毛の末から、足の爪先に至るまで、五臓六腑を挙げ、耳目口鼻じもくこうびを挙げて悉く幻影の盾である。

青空文庫で読む  

幸田露伴

【五重塔】

夢のやうに生きて夢のやうに死んで仕舞へば夫で済む事、あきらめて見れば情無い、つく/″\世間が詰らない、あんまり世間がむご過ぎる、と思ふのも矢張愚痴か、愚痴か知らねど情無過ぎるが、言はず語らず諭された上人様の彼御言葉の真実のところを味はへば、飽まで御慈悲の深いのが五臓六腑に浸み透つて未練な愚痴の出端でばも無い訳、争ふ二人を何方にも傷つかぬやうさばき玉ひ、末の末まで共に好かれと兄弟の子に事寄せてたふとい御経を解きほぐして、噛んで含めて下さつた彼御話に比べて見れば固より我は弟の身、ひとしほひとに譲らねば人間ひとらしくも無いものになる、

青空文庫で読む  

坂口安吾

【土の中からの話】

越後の農村の諺に、女が二人会って一時間話をすると五臓六腑までさらけて見せてしまう、というのがあるそうだが、農村の女は自分達が正直で五臓六腑までさらけて見せたつもりで、本当にそう思いこんでいるのだから始末が悪い。

青空文庫で読む  

寺田寅彦

【日本人の自然観】

仏教が遠い土地から移植されてそれが土着し発育し持続したのはやはりその教義の含有するいろいろの因子が日本の風土に適応したためでなければなるまい。思うに仏教の根底にある無常観が日本人のおのずからな自然観と相調和するところのあるのもその一つの因子ではないかと思うのである。鴨長明かものちょうめいの方丈記を引用するまでもなく地震や風水の災禍の頻繁ひんぱんでしかも全く予測し難い国土に住むものにとっては天然の無常は遠い遠い祖先からの遺伝的記憶となって五臓六腑ごぞうろっぷにしみ渡っているからである。

青空文庫で読む  

太宰治

【駈込み訴え】

あの人からそう言われてみれば、私はやはり潔くなっていないのかも知れないと気弱く肯定するひがんだ気持が頭をもたげ、とみるみるその卑屈の反省が、醜く、黒くふくれあがり、私の五臓六腑ろっぷを駈けめぐって、逆にむらむら憤怒ふんぬの念が炎を挙げて噴出したのだ。

青空文庫で読む  

種田山頭火

【其中日記 (八)】

 二月二十三日 晴、まつたく春ですね。

公明正大なる朝帰り! 五臓六腑にしみわたる朝酒のほろ酔機嫌で!
雑魚を焼きつつ、造化のデリカシーにうたれ、同時に人間の残忍を考へないではゐられなかつた。

青空文庫で読む  

斎藤緑雨

【かくれんぼ】

宇宙広しといえども間違いッこのないものはわが恋と天気予報の「ところにより雨」悦気面に満ちて四百五百と入り揚げたトドの詰りを秋子は見届けしからば御免と山水やまみずと申す長者のもとへ一応の照会もなく引き取られしより俊雄は瓦斯がすを離れた風船乗り天を仰いで吹っかける冷酒ひやざけ 五臓六腑へ浸み渡りたり

青空文庫で読む  

中里介山

【大菩薩峠 鈴慕の巻】

「では、せっかくの御好意を遠慮なく」
 片手をのべて、熱い湯の湯呑を受取ると、グッと一口飲みました。この一口の湯が、兵馬の五臓六腑までしみ渡って、渇する者に水とか湯とかいう本文通り、一口の湯が全身心に反応しました。

青空文庫で読む  

牧野信一

【バラルダ物語】

やをらその手を私の肩に載せようとした途端――私は、ゾツとして夢から醒めた。……間一髪、私は、五臓六腑がものゝ見事に吹き飛んだ轟きに打たれて、全くの無意識状態の絶頂に飛びあがつた瞬間、物凄まじい勢ひで、突如、

青空文庫で読む  

 
  • それぞれの四字熟語の詳しい意味などは、辞典や専門書でお確かめください。
  • このサイトの制作時点では、三省堂の『新明解 四字熟語辞典』が、前版の5,600語を凌ぐ6,500語を収録し、出版社によれば『類書中最大。よく使われる四字熟語は区別して掲示。簡潔な「意味」、詳しい「補説」「故事」で、意味と用法を明解に解説。豊富に収録した著名作家の「用例」で、生きた使い方を体感。「類義語」「対義語」を多数掲示して、広がりと奥行きを実感』などとしています。

おすすめサイト・関連サイト…

Last updated : 2024/06/28