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牛頭馬頭
ごずめず
作家
作品

正岡子規

【従軍紀事】

 十一日の事なりけん。いと恐ろしき声にて「皆順に詰めて、向ふへ詰めて、こんなに広く場所を取つて居つてはいかん、早く詰めんか」といふ言葉の枕辺に響きぬ。何事ならんと頭をもたげて見れば前の肥えたる曹長にはあらでひげのむさくるしき一人の曹長が余ら一行の居場を縮めよと命ずるなり。その音声その語調は 牛頭馬頭ごずめずの鬼どもが餓鬼を叱るもかくやらんとばかりに思はれてなかなかに前の肥えたる曹長をやさしくぼえ初めぬ。

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芥川龍之介

【地獄変】

束帶のいかめしい殿上人てんじやうびと、五つぎぬのなまめかしい青女房、珠數をかけた念佛僧、高足駄を穿いた侍學生、細長ほそながを着たわらはみてぐらをかざした陰陽師おんみやうじ――一々數へ立てゝ居りましたら、とても際限はございますまい。兎に角さう云ふいろ/\の人間が、火と煙とが逆捲く中を、牛頭馬頭の獄卒に さいなまれて、大風に吹き散らされる落葉のやうに、紛々と四方八方へ逃げ迷つてゐるのでございます。

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  • このサイトの制作時点では、三省堂の『新明解 四字熟語辞典』が、前版の5,600語を凌ぐ6,500語を収録し、出版社によれば『類書中最大。よく使われる四字熟語は区別して掲示。簡潔な「意味」、詳しい「補説」「故事」で、意味と用法を明解に解説。豊富に収録した著名作家の「用例」で、生きた使い方を体感。「類義語」「対義語」を多数掲示して、広がりと奥行きを実感』などとしています。

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Last updated : 2024/06/28