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誇大妄想
こだいもうそう |
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作家
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作品
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芥川龍之介 |
【歯車】
一時間ばかりたった後、僕は僕の部屋にとじこもったまま、窓の前の机に向かい、新らしい小説にとりかかっていた。ペンは僕にも不思議だったくらい、ずんずん原稿用紙の上を走って行った。しかしそれも二三時間の後には誰か僕の目に見えないものに抑えられたようにとまってしまった。僕はやむを得ず机の前を離れ、あちこちと部屋の中を歩きまわった。僕の誇大 |
和辻哲郎 |
【ある思想家の手紙】
ただ私はこの運命の信仰が現在の無力の自覚から生まれている事を忘れたくないと思います。ここに誇大妄想と真実の自己運命の信仰との別があるのです。成長しないものと不断に力強く成長するものとの別があるのです。
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坂口安吾 |
【人生三つの愉しみ】
武士には文弱という思想があるし、農村へ行くと牛馬なみの働き者や力持ちが健全で、虚弱人や読書などするような人間は危険人物だというような考え方もある。然し実際はヘタな武道家はテリヤのように神経質な人物が多いものだし、農村の屈強な人物に誇大妄想や誇大妄想が多いのは先程も申上げた通りである。
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戸坂潤 |
【ひと吾を公式主義者と呼ぶ】
元来、既成の言葉を使って諷刺することは、事態の新しさに適応する力を失った時に多いことで、憂鬱な人間は誰でもハムレット、誇大妄想の人間は誰でもドン・キホーテと云った類で、大抵は隙だらけの特徴づけに終らざるを得ない。既成の言葉がアダ名となるのはやや微温的に過ぎるのであって、寧ろアダ名が自称となる位いでなくてはならぬ。
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牧野信一 |
【鏡地獄】
「……銀行の奴等にさう云つてくれ。利息ぐらひ何でえ!」と、彼は云つた。語尾が「でえ」といふやうになると彼は、もう駄目だつた。誇大妄想に等しい酔漢に変つてゐるのである。――此奴、社会主義の仲間にでもなつたのかしら、いつの間にか! あれの下ツ端は、皆な気の小さい貧乏人ばかりださうだが――ふと藤井は、そんな気がした。
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幸田露伴 |
【努力論】
其儘で好いのは、唯緻密堅美な良材のみである。馬鹿々々しい誇大妄想を抱いて居るもので無い以上は、自己をみづから矯め、みづから治めるのを誰か是ならずとするものが有らうか。
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倉田百三 |
【光り合ういのち】
この西村家にも不安な血があった。恭一君の伯父も、次兄も常人では無かった。一種の癇癪と誇大妄想とがあった。しかしこの二人の妄想家は気魄と潔癖と学才とがあって、卑しいところは少しもなかった。二人とも大酒であったが、理想家で慷慨家であった。
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宮本百合子 |
【ソヴェト文壇の現状】
世界の資本主義国家の御用専門家は、このソヴェトの五ヵ年計画を一目見て、先ず |
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