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効果覿面
こうかてきめん 結果や効き目がすぐに現れるさま。▽一般には都合のよい結果や効き目についていう。「覿」は見る、示す意。「覿面」は目の当たり、目の当たりに見ること。効果や結果が速やかに現れるさまをいう。[三省堂 新明解四字熟語辞典]
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作家
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作品
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戸坂潤 |
【 社会時評 】 かくて警察は追々明朗になって行くということだ。警視庁では管下の警察署を明朗化すために、追々「刑事部屋」の改造に着手することになった。「刑事室」の名に相応わしいように、椅子・テーブル・宿直用のベッドなどをそなえ、椅子に腰かけて被疑者の取調べに当ろうというのである。畳敷きが床板張りになった処で、大して警察が明朗になりはしないと云う人があるかも知れないが、併しそれはそうではないのだ。封建制度下よりも資本制度下の方が、何と云っても野蛮でなく残忍でないのだから、刑事の取調室が近代化せば、それだけ封建的な残忍さは消えて行くだろう。少くとも之はそのおまじないになるのだ。尤も一般に野蛮にも残忍にも、それ自身の進歩があるとすれば夫は又別な話だが。併し建築上のおまじないで警察が明朗化するというなら、少くとももう少し迷信的でないおまじないがあるのである。夫を警視庁では余り気づいていないらしい。というのは、建築上効果覿面なのは、留置場の改造と増設となのである。尤も増設の方は、大体あまり景気のいいことではなく、出来るだけ増設などの必要のないようにすべきであり又なるべきだが、少し今日までの警察官の警察技術と心掛けとから云って、増設を必要としないような状態は到底望まれないようだ。 |
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