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高潔清廉
こうけつせいれん |
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作家
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作品
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萩原朔太郎 |
【青猫】 詩はいつも時流の先導に立って、来るべき世紀の感情を最も鋭敏に触知するものである。されば詩集の真の評価は、すくなくとも出版後五年、十年を経て決せらるべきである。五年、十年の後、はじめて一般の俗衆は、詩の今現に居る位地に追いつくであろう。即ち詩は、発表することのいよいよ早くして、理解されることのいよいよ遅きを普通とする。かの流行の思潮を追って、一時の浅薄なる好尚に適合する如きは、我等詩人の卑しみて能はないことである。詩が常に俗衆を眼下に見くだし、時代の空気に高く超越して、もっとも高潔清廉の気風を尊ぶのは、それの本質に於て全く自然である。 |
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