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君側之奸
くんそくのかん |
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作家
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作品
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幸田露伴 |
【運命】
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菊池寛 |
【鳥羽伏見の戦】
慶喜は、このまま滞京していてはいかなる事変が突発するかも知れないと思ったらしく、激昂する麾下を慰撫しながら、閣老参政及び会桑二藩士を率いて、大阪へ下ったのである。此の下阪に対し朝廷側では大阪の要地を占め、軍艦を以て海路を断ち薩長を苦しめるためだろうと疑うものもあり、一大決戦の避くべからざるを力説するものがあり、大阪城中に於ては、会桑二藩の激昂なお止まず、幕府に対する苛酷の処置は岩倉卿を初め、薩長二藩が至上の御幼少なるに乗じて私意を逞しゅうするものであるから、兵力に依って、君側の 形勢 |
直木三十五 |
【南国太平記】
御大腹の君として、たとい、将曹如き奸物にもせよ、こう仰せられるのは、われら家来として、ただ、「異国との交易を禁じておる幕府が、異国と、交通を始めるなど、いろいろと、浮説の多い時分に、幕府己の威信を、傷つけるものではないか」 と、斉興が、いい終った時、石見は、手紙を巻きながら 「仰せの通り――それから、秋水党の徒輩、もし、殿の御隠退が、のびのびと相成るようなら、何か、過激の手立にて、斉彬様を擁立し――彼奴らの、言葉を借りますると、君側の奸を除く、と申しますが――」 「ま、そんなことを、申しておりますか」 と、お由羅が、云った。 燭台が、明るく、金地の襖を、磨きのかかった柱を――それから、酔った人々の顔を照らしていた。 「愉快、愉快、愉快、我輩は、舞うぞっ」 と、一人が、怒鳴って、刀を、どんと突き立てた。 「とにかく、将曹、平等、君側の奸を、先ず血祭として、それをだ、まず、軍陣の血祭として、 一人は、真赤な顔をして、扇を、膝の上へ正して 「長歌」 と、叫んだ。 「斉彬公が、将曹を罰せん、という御心――いつか仰せられた、子は父のために痩す、という御孝心は、わしらとてよく判る。然し、それも、程々のものだ。見す見す、陰謀を企てた――それも、ただの陰謀ではない、御世継を呪殺するという悪逆無道の陰謀を企てた輩を、そのまま、重用していなさるとは、卑怯に似ている」 「大義、親を滅すということがあるが、この際、当家のために、天下のために、人心を一掃すべきだ。君側の奸を除いて、有為の士を登用すべきだ。わしら軽輩が、徒らに、長上を押し除けるという風説があるが、長幼軽重を論じるべき時代ではない。力のある者が、出て行くべき時勢になってきているのだ。そして、その気運は、斉彬公自ら、お作りになったのだ。それに、今日、その奸悪を、猶座右に、重宝視するなど、斉彬公御帰国の第一声として、わしは、彼奴らを除くことを、まず、進言したいのだ」 「それで、いろいろ、説が出ているが、わしは、矢張り、断だ」 と、高橋が、斬る真似をした。 「斉彬公に申し上げても、わしは、無駄だと思う。斉興公の処分なされたことを、すぐに取消して、井上出雲を召し返しなどしては、斉興公の罪を天下に示すようなものだ、という御意見はよく判る。斉彬公は、わしらに対して、お目にかけておられるように、斉興公には、もっと、御孝心の方だ。だから、この際一切を、公に知らさずに、吾々、死を以て、君側の奸を払おうと思うが、何うだろう」 「上方の有志も、同じ志だ。将曹らを討つのを機として、一挙に脱藩して、京へ集まろうというのだ。有村が、そのために、戻って来ておる」 皆が、語るべきことを語って、西郷の顔を見た。 |
吉川英治 |
【三国志 桃園の巻】
張均には分っていたが、ここを「臣が多くを申しあげないでも、ご聡明な帝には、 |
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