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薬九層倍
くすりくそうばい |
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作家
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作品
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坂口安吾 |
【かげろふ談義 ――菱山修三へ――】
中にはスタンダールなんといふ感激好きの騎士もゐて、メチルドなどいふ夢の観音をでつちあげて、その精神も芸術も常に高められてゐるやうな誇大なことを好んで言ひふらしてゐるのですけど、さうして実は僕もさういふ嘘つぱちな感動を言ひふらすのが好きなんですけど、実際は――君はにや/\笑ひだしてゐるやうですね。実際は、感激したり力んだりしてみても、いざ実際に作品となれば、そんな魔術は薬九層倍ほどの御利益もありません。
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織田作之助 |
【勧善懲悪】
――馴れぬ手つきで揉みだした手製の丸薬ではあったが、まさか歯磨粉を胃腸薬に化けさせたほどのイカサマ薬でもなく、ちゃんと処方箋を参考にして作ったもの故、どうかすると、効目があったという者も出て来た。市内新聞の隅っこに三行広告も見うけられ、だんだんに売れだした。売れてみると、薬九層倍以上だ。
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相馬愛蔵 |
【私の小売商道】
広告は、自分の店の存在を明らかにし、店の特長を知って貰う上から非常に大切なものですが、しかしこれをあまり重要視しすぎて、その釣合を失い肝心の商品をして値上げまでしなくては立ち行かぬようでは考えものだと思います。薬九層倍といいますが、これは宣伝費が売価の大部分を占めているからであります。
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