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空理空論
くうりくうろん |
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作家
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作品
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中島敦 |
【弟子】
老人は立止って、「夫子夫子と言ったとて、どれが一体汝のいう夫子やら俺(おれ)に分(わか)る訳がないではないか」と突堅貪(つっけんどん)に答え、子路の人態(にんてい)をじろりと眺めてから、「見受けたところ、四体を労せず実事に従わず空理空論に日を暮(く)らしている人らしいな。」と蔑(さげす)むように笑う。
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鳥谷部春汀 |
【明治人物月旦(抄)】
勿論議会開設後の自由党は、最早自由民権論といふやうな理想ばかりで動いて居る訳には往かない。政党の仕事は、重に議会の掛引で空理空論よりも実際問題を処置せねばならぬ。そこで自由党は次第に板垣伯の指導に満足しなくなつた。伯も亦余り政治には熱心でなかつたやうで、事実をいへば、唯だ名ばかりの首領であつた。
▲どうも理想家は、空理空論に流がれて、実務の上に手を抜く弊があるから、尾崎君も余つぽど用心しないと、つまらない失敗を取らないとも限らない。君は宜しく市民の人気に背かないやうに甘く遣るべしだ。 |
木下尚江 |
【火の柱】
「閣下、近来社会党がナカ/\跋扈(ばつこ)致しまして、今回坑夫の同盟なども全く、社会党の煽動(せんどう)から起つたので御座ります、此分では将来何の事業でも発達上、非常な妨碍を蒙(かうむ)りまするわけで、何卒(なにとぞ)此際厳重に撲滅策(ぼくめつさく)を執(と)らるゝ様、閣下より一言、政府へ御指図下ださる義を懇願致しますので――」伊藤侯爵は空吹く風と聞き流しつ「二三の書生輩の空理空論を、左迄(さまで)恐るゝにも足らぬぢやないか、況(ま)して労働者などグヅ/\言ふなら、構まはずに棄てて置け、直ぐ食へなくなつて、先方(むかう)から降参して来をらう」 |
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