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真帆片帆
まほかたほ |
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作家
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作品
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佐々木味津三 |
【右門捕物帖 七化け役者】
おりからの夕なぎに、品川あたり一帯の海面は、まこと文字どおり一望千里、ところどころ真帆片帆を絵のように浮かべて、きららかな金波銀波をいろどりながら、いとなごやかに初夏の情景を添えていたものでしたから、そこには伊豆守様をはじめ、お歴々がお控えなさっているというのに、場所がらもわきまえず、たちまちお株を始めました。
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芥川龍之介 |
【大導寺信輔の半生 ――或精神的風景画――】
しかし彼の自然を見る目に多少の鋭さを加えたのはやはり何冊かの愛読書、――就中(なかんずく)元禄の俳諧(はいかい)だった。彼はそれ等を読んだ為に「都に近き山の形」を、「欝金畠(うこんばたけ)の秋の風」を、「沖の時雨(しぐれ)の真帆片帆」を、「闇(やみ)のかた行く五位の声」を、――本所の町々の教えなかった自然の美しさをも発見した。
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国木田独歩 |
【源おじ】
雪の夜より七日(なのか)余り経ちぬ。夕日影あざやかに照り四国地遠く波の上に浮かびて見ゆ。鶴見崎のあたり真帆片帆(まほかたほ)白し。川口の洲(す)には千鳥飛べり。源叔父は五人の客乗せて纜(ともづな)解かんとす、三人の若者駈けきたりて乗りこめば舟には人満ちたり。
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林不忘 |
【釘抜藤吉捕物覚書 梅雨に咲く花】
玉山(ぎょくざん)将(まさ)に崩れんとして釘抜藤吉の頬の紅潮(あからみ)。満々と盃を受けながら、葬式彦兵衛が口詠(くちずさ)んだ。「梅雨に咲く花や彼岸の真帆片帆。」 |
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