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命令一下
めいれいいっか
作家
作品

太宰治

【葉桜と魔笛】

 あとで知ったことでございますが、あの恐しい不思議な物音は、日本海大海戦、軍艦の大砲の音だったのでございます。東郷提督の命令一下で、露国のバルチック艦隊を一挙に撃滅なさるための、大激戦の最中だったのでございます。

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坂口安吾

【決戦川中島 上杉謙信の巻 ――越後守安吾将軍の奮戦記――】

すでに我から間諜をだす必要はない。敵の策戦は山伝いに余の背後をつくか、前面に兵をくりだすか、いずれかしかない。我が軍は敵に先だち川中島の真ッただ中に総勢をくりだすのだ。敵の間諜すべてを斬り伏せて帰すことがなければ、我が必勝は明かだ」余の命令一下、日没と共に余の軍は行動を起した。

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海野十三

【空襲下の日本】

「防護飛行隊が、監視哨と聴音隊との中間にいるわけでしたね」
「そうだ。立川、所沢(ところざわ)、下志津(しもしづ)、それから追浜(おっぱま)というところが飛行隊だが、命令一下直(ただ)ちに戦闘機は舞い上って前進し、そこで空中戦を行うのだ」
「その内側が、われわれ高射砲隊ですか」

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佐々木味津三

【右門捕物帖 へび使い小町】

「なるほど、におってきたにちげえねえや。ね、だんな、だんな! ここから何か土手の上へひきずり上げでもしたとみえて、葦が水びたしになりながら、一面に踏み倒されておりますぜ!」
  きくや、会心そうな微笑とともに命令一下
「見ろい! ぞうさがなさすぎて、あいそがつきるじゃねえか! きっと、近所の駕籠(かご)を雇って、女もろとも河童野郎めどこかへつっ走ったに相違ねえから、大急ぎにふたりして駕籠の足跡拾ってきなよ!」

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コナン・ドイル
新青年編輯局訳

【臨時急行列車の紛失】

『自分の義務は、多くの輩下を探し出し、金力を自由に駆使して、カラタール氏の入国入市を妨害することだった。命令一下、自分は非凡な精力を傾けて、すでに一時間の後(のち)には義務を遂行すべく秘密の活躍を開始していた。

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牧逸馬

【戦雲を駆る女怪】

 すると、パリーのスパイからいちはやくベルリンに報告が飛んだ。そのアバス・ヌリ殿下が、留学生問題の後始末のためパリーからコンスタンチノウプルへ急行の途、ベルリンを通って二、三日は滞泊するらしいというのだ。色仕掛けにかぎるとあって、ドロテイン街のマタ・アリへ命令一下
  ここを日本のメロドラマでゆくと、委細(いさい)呑(の)み込んだ姐御(あねご)が、湯上りの身体を鏡台の前に据(す)えて諸肌(もろはだ)脱いで盛大な塗立工事にかかろうというところ。

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黒島傳治

【武装せる市街】

 旅団司令部と、大隊本部の間は、急設電話によって連絡された。大隊本部と、歩哨線も、緊密に連絡された。兵士は、命令一下、直ちに武器を携えて、戦闘に応じ得る状態の下に置かれた。

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中里介山

【大菩薩峠 山科の巻】

 十余人の舞子部隊に命令一下すると、「くすぐり合い」の乱闘がはじまったのは――
  甲は乙、乙は甲の、丙は丁の、咽喉の下、脇の下、こめかみ、足のひら、全身のドコと嫌わずくすぐって、くすぐって、くすぐり立てる。甲からくすぐられた乙は、甲へやり返すと共に、丙の襲撃に備えなければならぬ。丙は乙に当ると共に、丁戊(ていぼ)の側面攻撃を防禦しなければならぬ。

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  • このサイトの制作時点では、三省堂の『新明解 四字熟語辞典』が、前版の5,600語を凌ぐ6,500語を収録し、出版社によれば『類書中最大。よく使われる四字熟語は区別して掲示。簡潔な「意味」、詳しい「補説」「故事」で、意味と用法を明解に解説。豊富に収録した著名作家の「用例」で、生きた使い方を体感。「類義語」「対義語」を多数掲示して、広がりと奥行きを実感』などとしています。

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Last updated : 2024/06/28