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明窓浄机/明窓浄几
めいそうじょうき
作家
作品

太宰治

【母】

 小川君の家へ着いた。山を背にして海に臨んだ小綺麗な旅館であった。
  小川君の書斎は、裏二階にあった。明窓浄几、筆硯紙墨、皆極精良、とでもいうような感じで、あまりに整頓されすぎていて、かえって小川君がこの部屋では何も勉強していないのではないかと思われたくらいであった。

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夏目漱石

【文士の生活 夏目漱石氏-収入-衣食住-娯楽-趣味-愛憎-日常生活-執筆の前後】

骨董こっとうも好きであるが所謂いわゆる骨董いじりではない。第一金が許さぬ。自分の懐都合ふところつごうのいい物を集めるので、智識は悉無しつむである。どこの産だとか、時価はどの位だとか、そんな事は一切知らぬ。然し自分の気に入らぬ物なら、何万円の高価な物でも御免ごめんこうむる。
  明窓浄机めいそうじょうき。これが私の趣味であろう。閑適を愛するのである。
  小さくなって懐手ふところでして暮したい。明るいのが良い。暖かいのが良い。

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内田魯庵

【二葉亭四迷の一生】

日記の一節に曰く、「吉岡書店よりまた『新著百種』をおくりこす、こは第三巻なり、かう発刊の都度々々におくりこすは予にも筆を執らせんとの 下心したごころあればなるべし、そを知りつつ取り置くは愚なり、いなみやらんとは思へどもさすがに打付けにさいはんも何となく気の毒にてそのままに打過ごす、余はかほどまで果断なき乎、歎ずべき事の第一なり、」と。また曰く、「書肆某来りて四方山よもやまの物語をす、余はかかる射利の徒と交はるだも心苦しけれどもこれも交際と思ひ返してよきほどにあしらへり、もし心に任せたる世ならましかば彼ら如き輩を謝して明窓 浄几じょうきの下にしずかに書を読むべきを、」と。二葉亭が全く文壇から遠ざかろうとして苦悶していたはこれを見ても明かである。

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  • それぞれの四字熟語の詳しい意味などは、辞典や専門書でお確かめください。
  • このサイトの制作時点では、三省堂の『新明解 四字熟語辞典』が、前版の5,600語を凌ぐ6,500語を収録し、出版社によれば『類書中最大。よく使われる四字熟語は区別して掲示。簡潔な「意味」、詳しい「補説」「故事」で、意味と用法を明解に解説。豊富に収録した著名作家の「用例」で、生きた使い方を体感。「類義語」「対義語」を多数掲示して、広がりと奥行きを実感』などとしています。

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Last updated : 2024/06/28