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未開野蛮
みかいやばん |
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作家
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作品
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島崎藤村 |
【夜明け前 第一部上】
当時、全国に浪(なみ)打つような幕府非難の声からすれば、横浜や函館の港を開いたことは幕府の大失策である。東西人種の相違、道徳の相違、風俗習慣の相違から来るものを一概に未開野蛮として、人を食った態度で臨んで来るような西洋人に、そうやすやすとこの国の土を踏ませる法はない。開港が東照宮の遺志にそむくはおろか、朝廷尊崇の大義にすら悖(もと)ると歯ぎしりをかむものがある。
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南方熊楠 |
【十二支考 馬に関する民俗と伝説】
いずれも美しい虫を佩びる人の容が艶(つや)多くなり、根相の物を食えば勢を強くすてふ同感説に基づいて大いに行われたが、追々経験して表面ばかり相似た物同志の間に必ずしも何の縁も同感もないと分った今日、滑稽がかって来たかかる媚薬は未開野蛮民にあらずんば行われぬ。しかるに芳香を主分とする媚薬は実際人を興奮せしむる力あれば、催春薬として利(き)かぬまでも、興奮剤として適宜これを用うれば和悦享楽の効は必ずある。
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与謝野晶子 |
【離婚について】
夫唱婦和などと申す事は男の方が自分の都合のいいように設けられた教で、根が女を対等に見ぬ未開野蛮のあさましい思想から出ております。片方(かたっぽう)の都合のいいように途中で設けられた道徳以上に、私どもは人の心が完全に発展して行けば必ず其処に達せねばならぬというものを土台にした道徳に由(よ)って安住致したい。
昔には夫唱婦和で表面(うわべ)だけにせよ家庭が治(おさま)った御治世もありましたから当時の道徳としてはそれで好(よ)かったかも知れませんが、婦人の目が開(あ)き掛けて男と対等の地位を自覚しようとする今日に、まだそのような未開野蛮時代の道徳で婦人を圧(おさ)え附けようとする教育家諸先生の頭脳(あたま)の古風なのに驚かねばなりません。 |
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