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門外不出
もんがいふしゅつ |
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作家
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作品
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太宰治 |
【惜別】
私のような、ほとんど無名の作家に、このような便宜が得られたのは、もちろん内閣情報局と文学報国会の力に依る事と思うが、また、見るからにむさくるしい一介の貧書生に、こころよく紹介状をしたためてくれ、また、門外不出の大事な資料を自由に閲覧させて下さった皆さんの御好志のほどは忘れ難い。
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直木三十五 |
【南国太平記】
「よい時期と、心得まする。御家長久のために、兵道のために、又、老師の御所信に反きまするが、当兵道は、島津家独特の秘法として、門外不出なればこそ重んぜられまするゆえ、御当家二分して相争う折は、正について不正を懲らし、その機に呪法の偉力を示して、人々の悪口雑言を醒すのも、兵道のために――」
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坂口安吾 |
【デカダン文学論】
極意だの免許皆伝などといふのは茶とか活花とか忍術とか剣術の話かと思つてゐたら、関孝和の算術などでも斎戒沐浴して血判を捺(お)し自分の子供と二人の弟子以外には伝へないなどとやつてゐる。尤も西洋でも昔は最高の数理を秘伝視して門外不出の例はあるさうだが、日本は特別で、なんでも極意書ときて次に斎戒沐浴、曰く言ひ難しとくる。
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坂口安吾 |
【明治開化 安吾捕物 その七 石の下】
千頭家では息子の成人に当って、先祖伝来門外不出の言い伝えを語りつぐことになっている。その語り伝えられるものが何事であるかは、父と息子以外の誰にも分らない。
千頭家の祖先は豊臣の大将か切支丹の親玉かという大物ですかねえ。大八車に何台という金箱がねえ。話が大きいねえ。親から子へ門外不出の語り伝えをねえ。 |
吉行エイスケ |
【職業婦人気質】
「なにをしてるんだい、え? コオセットをはめてるところ………………靴下はもちろん黒檀(こくたん)色がいいよ、だが門外不出、自分で自分を監禁することはできないって? いや待ちたまえ、すぐ行く。貴嬢のご機嫌(きげん)奉仕をつかまつる。
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岡本綺堂 |
【読書雑感】
蔵書家に就てその蔵書を借り出して来るのである。ところが、蔵書家には門外不出を標榜している人が多く、自宅へ来て読むというならば読ませて遣(や)るが、貸出しは一切断るというのである。
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宮本百合子 |
【年譜】
珍しくこの年はいくつかの詩ばかりを書いた。これは文学的作品であるよりも訴えであり、嘆息であり、つまり門外不出の作品である。
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中里介山 |
【大菩薩峠 伯耆の安綱の巻】
この品はあの有野の馬大尽の家に先祖より伝わる秘宝、御列席のうちにも名のみ聞いて実を見んと思わるる向きが少なからぬことと推察致す。門外不出とも言うべきこの品を、この席に限りて一見致すことは仕合せ、充分の御鑑定を承りたいものでござる」
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林不忘 |
【煩悩秘文書】
千浪は喜んで、一種独特、法外流門外不出の坐り方を大次郎に教わって、この相手を勤めることになったわけ。
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小栗虫太郎 |
【黒死館殺人事件】
それに加えて、当主旗太郎(はたたろう)以外の家族の中に、門外不出の弦楽四重奏団(ストリング・カルテット)を形成している四人の異国人がいて、その人達が、揺籃の頃から四十年もの永い間、館から外へは一歩も出ずにいると云ったら
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