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南船北馬
なんせんほくば |
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作家
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作品
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下村湖人 |
【次郎物語 第一部】
若いころ、ちょっぴり詩や歌をひねり、その後二十年間も地方をまわって学校教育に没頭し、五十近くになってから東京にまい戻って、尓来(じらい)十年間、社会教育方面の仕事のために、南船北馬している私である。その私が、今更小説に野心を持ち出したとしたら、なるほど驚歎にも値するだろうし、また無論非難されるのが当然であろう。
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夢野久作 |
【山羊髯編輯長】
多分、応接室のつもりだろう。穴だらけの青羅紗(ラシャ)を掛けた丸卓子(テーブル)の左右に、歪(ゆが)んだ椅子がタッタ二つ置いてある。右手の新聞原紙(ゲラ)で貼り詰めた壁の上に「南船北馬……朴泳孝(ぼくえいこう)」と書いた大額が煤(すす)け返っている。
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押川春浪 |
【海島冐檢奇譚 海底軍艦】
それから歐洲(をうしう)を渡(わた)つて、六七年(ねん)以前(いぜん)の事(こと)、或(ある)人(ひと)が佛京巴里(フランスパリ)の大博覽會(だいはくらんくわい)で、彼(かれ)に面會(めんくわい)したとまでは明瞭(あきらか)だが、私(わたくし)も南船北馬(なんせんほくば)の身(み)の其後(そのゝち)の詳(つまびらか)なる消息(せうそく)を耳(みゝ)にせず、たゞ風(かぜ)のたよりに、此頃(このごろ)では、伊太利(イタリー)のさる繁華(はんくわ)なる港(みなと)に宏大(りつぱ)な商會(しやうくわい)を立(た)てゝ、專(もつぱ)ら貿易事業(ぼうえきじげふ)に身(み)を委(ゆだ)ねて居(を)る由(よし)、おぼろながらに傳(つた)へ聞(き)くのみ。
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河上肇 |
【貧乏物語】
レーン氏はかくのごとき宣言を公にしたる後、南船北馬、東奔西馳(せいち)、熱心にその計画の有益かつ必要なることを伝道したるところ、志を同じゅうする者少なからざるの勢いなりしをもって、すなわち人を欧米に派遣して理想国建設の地を卜せしめ、ついに南米のパラグェーをもってその地と定めその理想郷は名づけてこれを『新豪州』といいかつ加盟の条件を左のごとく定めた。
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南方熊楠 |
【十二支考 馬に関する民俗と伝説】
また人死すれば馬と犬を殺し以前は乗馬に大必要な革轡(かわぐつわ)を本人の屍と合葬した(プリッチャード『巴太瓦尼亜貫通記(スルー・ゼ・ハート・オヴ・パタゴニア)』六章)。旧世界でも馬を重んずる諸民が馬を殺し馬具とともに従葬した例多く、南船北馬の譬えのとおり、蒙古人など沍寒(ごかん)烈風断えざる冬中騎して三千マイルを行きていささか障(さわ)らぬに、一夜地上に臥(ふ)さば華奢(きゃしゃ)に育った檀那(だんな)衆ごとく極めて風引きやすく、
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