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拈華微笑
ねんげみしょう |
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作家
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作品
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芥川龍之介 |
【十本の針】
わたしたちはわたしたちの気もちを容易に他人に伝えることはできない。それはただ伝えられる他人しだいによるのである。「拈華微笑(ねんげみしょう)」の昔はもちろん、百数十行に亙(わた)る新聞記事さえ他人の気もちと応じない時にはとうてい合点(がてん)のできるものではない。
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高村光太郎 |
【回想録】
御身躯は従来通りに作ったけれども、お頭は聖徳太子を思いながら拵えたのであろう。技術上微笑したようなお顔になっているけれども、拈華微笑(ねんげみしょう)の教義による微笑の意義を目指して拵えたという説があるようだが、私にはそうはとれない。
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長谷川時雨 |
【芳川鎌子】
けれどその時間の長短は、その人たちには実に余儀ない推移で、思いきりや諦(あきら)めでは到底満足されない生死の葛藤(かっとう)が無論あったはずだ。決断がにぶいといったものもあるが、彼れらは決して拈華微笑(ねんげみしょう)、死を悦びはしなかったのだ。出来ることならば生のよろこびを祈ったのだ。
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宮本百合子 |
【獄中への手紙 一九四〇年(昭和十五年)】
最後、なかなか秀抜でしょう? ハアハア笑いました。うれしくてハアハア笑うというのいい心持よ。そして、私を十六日にそんなに笑わすなんて、なかなか味なことです。拈華微笑(ねんげみしょう)的微笑もおのずと口辺に漂わざるを得ません。だって、そうではないの、同じスポーツの用語を問いの形で出されることがあるだろうと、優雅なますらおは予想していたでしょうか。 |
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