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二束三文/二足三文
にそくさんもん |
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作家
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作品
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夏目漱石 |
【坊っちゃん】
兄はそれから道具屋を呼んで来て、先祖代々の |
夏目漱石 |
【硝子戸の中】
その頃従兄の家には、私の二番目の兄がごろごろしていた。この兄は大の |
若山牧水 |
【樹木とその葉 島三題】
それもほんの暫くでいやになり、二束三文で全てを賣り拂つた金で大盡遊びを續け、金が盡きると或る炭鑛の鑛夫になつた。
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林芙美子 |
【朝夕】
「雑作なんて、家主に家賃のかただぜ、がらくた売つた処が二束三文で、せいぜい一晩泊りで、近かくの温泉へ行ける位のもんだらう‥‥」
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高村光雲 |
【幕末維新懐古談 本所五ツ目の羅漢寺のこと】
ところが、この売るということが、お話しのほかで、買い手もないといった頃、その頃の堂々たる大名、旗本の家屋敷、あるいは豪商大家の寮とか別荘とかいうものでも、いざ、売り払うとなると二束三文、貰ってもしようがないと貰い手もない時節であるから、この蠑螺堂を、壊し屋が買った値段も想像されます。
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織田作之助 |
【夫婦善哉】
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坂口安吾 |
【アンゴウ】
「神尾が出征のとき、売ってよい本、悪い本、指定して、でかけたのです。できれば売らずに全部疎開させたいと思いましたが、そのころは輸送難で、何段かに指定したうち、最小限の蔵書しか動かすことができなかったのです。二束三文に売り払った始末で、神尾が生きて帰ったら、さだめし悲しい思いを致すでしょうと一時は案じたほどでした」
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黒島傳治 |
【浮動する地価】
「今度、KからSまで電車がつくんで、だいぶ家の土地もその敷地に売れそうじゃ。坪五円にゃ、安いとて売れるせに、やっぱし、二束三文で、買えるだけ買うといて、うまいことをやった。やっぱし買えるだけ買うといてよかった。今度は、だいぶ儲かるぞ。」
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岡本綺堂 |
【青蛙堂鬼談】
御承知でもございましょうが、明治初年の書画骨董ときたらほんとうの捨て売りで、菊池容斎や渡辺崋山の名画が一円五十銭か二円ぐらいで古道具屋の店(たな)ざらしになっている時節でしたから、歌麿も抱一上人もあったものでございません、みんな二束三文に売払ってしまったのでございます。
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有島武郎 |
【或る女(前編)】
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林不忘 |
【丹下左膳 日光の巻】
それも一人相撲と気のついたあげくは、通りがかりの屑屋を呼んであのこけ猿の茶壺を二束三文どころか、ただでくれてしまった。
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中里介山 |
【大菩薩峠 恐山の巻】
大和の奈良の興福寺の五重塔なども、すんでのことに取りこぼち、二束三文の値段で売り払われるところであったと聞いたことがあります。
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海野十三 |
【少年探偵長】
チャン |
三遊亭圓朝 |
【名人長二】
大名方の |
岸田國士 |
【アトリエの印象】
ある画家はかうも云つた。――自分の絵が永久に自分の手許から離れて行く気持は淋しい、と。それには同感できないこともないが、その気持は、また考へやうによつて、なかなかロマンチツクでいいではないか。自分の本が、二足三文で夜店に晒されてゐるなどはあんまり散文的だ。
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岡本綺堂 |
【半七捕物帳 仮面】
元治元年九月の末であった。秋晴れのうららかな日の朝、四ツ(午前十時)をすこし過ぎたころに、ひとりの男が京橋東仲通りの伊藤という道具屋の店さきに立った。ここは道具屋といっても、
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三好十郎 |
【斬られの仙太】
段六 平松かあ? そうよ、きょうびでは、三十町はくだるめえて。この辺一帯、微碌旗本の田地で荒れ放題になっていた奴ば、二足三文で買いしめた上に、その後、金ば貸しちゃ、借金のかた流れで大分手に入れたかんなあ。
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