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女人禁制
にょにんきんぜい
にょにんきんせい
作家
作品

幸田露伴

【雪たたき】

如何に愛宕あたごの申子なればとて、飯綱愛宕の魔法を修行し、女人禁制の苦を甘ない、経陀羅尼きょうだらにじゅして、印を結びじゅを保ち、身を虚空にあがらせようなどと、魔道のもとに世をひれ伏さしょうとするほどのたわけ者が威を振って、公方を手づくねの泥細工で仕立つる。

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島崎藤村

【夜明け前 第二部下】

高山霊場の女人禁制は言うまでもなく、普通民家の造り酒屋にある酒蔵のようなところにまで女は遠ざけられていたことを想像して見るがいい。

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泉鏡花

【婦系図】

お仏壇は、蔦ちゃんが人手にゃ渡さねえ、と云うから、わっし引背負ひっしょって、一度内へけえったがね、何だって、お前さん、女人禁制で、蔦ちゃんに、さいふらせねえで、城を明渡すんだから、むずかしいや。

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倉田百三

【出家とその弟子】

親鸞 他人はともあれ、私のようなものはそれでは助かる見込みはつかないのだ。私は今でも忘れ得ぬが、六角堂に夜参りして山へ帰る道で一人の女に出会ってね。 寒空 さむぞら に月が凍りつくように光っている夜だったよ。私を山へ連れて登ってくれというのだ。私は 比叡山 ひえいざん 女人禁制 にょにんきんぜい で女は連れて登るわけに行かないと断わったのだ。

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岡本綺堂

【玉藻の前】

 思いのほかに叔父の機嫌が直ったので、そばに聴いている兼輔もほっとした。彼はこれほどの才女を叔父に紹介したということに就いて一種の誇りを覚えた。それと同時に、日ごろ頑固(かたくな)な叔父の鼻を捻(ね)じ折ったような一種の愉快をも感じた。彼は口の上の薄い髭を撫でながらほくそえんだ。 「叔父上、今からはこのみ寺にも女人禁制の掟(おきて)が解かれましょうな」 「それは人による」と、阿闍梨もほほえんだ。「これほどの女人がほかにあろうか」

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種田山頭火

【其中日記 (五)】

しづかに読書してゐると、若い女の足音がちかづいてきた、女人禁制ではないが、珍らしいなと思つてゐると、彼女はF屋のふうちやんだつた、近所まで掛取りにきたので、ちよつと寄つて見たのだといふ、到来の紅茶を御馳走した、紅茶はよかつたらう!

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折口信夫

【翁の発生】

御嶽精進を経て、始めて男となると言ふ信仰は、近代に始まつた事ではない様で、山地に居させ、禁欲・苦役の後、成年戒を授けた昔の村里の規約が、形を変へて入つて来てゐます。男だけの山籠りで、女子は結界厳重な事も、女人禁制の寺方を学んだのではなく、固有の秘密結社の姿なのでした。

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佐々木味津三

【旗本退屈男 第四話 京へ上った退屈男】

――江戸の陰間茶屋と言えば、芝の神明裏と湯島の天神下と、一方は増上寺、一方は寛永寺と、揃いも揃って女人禁制のお寺近くにあるというのに、京はまたかくのごとく女には不自由をしない曲輪手前に、恐れ気もなく店を張っているのも、都ならでは見られぬ景物に違いない。

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酒井嘉七

【京鹿子娘道成寺】

 道成寺で、再度の鐘建立が行われ、その供養くようを、白拍子の花子はなこという者が拝みに来る。これは、実のところ、清姫であって、寺僧は、女人禁制を理由として、拒む。しかし、白拍子は、たって、と願う。寺僧も、いまは、止むかたなく、女の請をいれ、その代償として、舞を所望する。白拍子は、舞いながら、鐘に近づいて、中に消える。――一同は驚いて、鐘を上げる。と中から蛇体の鬼女が現われる。

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  • それぞれの四字熟語の詳しい意味などは、辞典や専門書でお確かめください。
  • このサイトの制作時点では、三省堂の『新明解 四字熟語辞典』が、前版の5,600語を凌ぐ6,500語を収録し、出版社によれば『類書中最大。よく使われる四字熟語は区別して掲示。簡潔な「意味」、詳しい「補説」「故事」で、意味と用法を明解に解説。豊富に収録した著名作家の「用例」で、生きた使い方を体感。「類義語」「対義語」を多数掲示して、広がりと奥行きを実感』などとしています。

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Last updated : 2024/06/28