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落花狼藉
らっかろうぜき |
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作家
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作品
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森鴎外 |
【うたかたの記】
ゆかは暖炉(だんろ)の温(ぬく)まりにて解けたる、靴の雪にぬれたれば、あたりの人々、かれ笑ひ、これ罵(ののし)るひまに、落花狼藉(らっかろうぜき)、なごりなく泥土に委(ゆだ)ねたり。
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徳冨健次郎 |
【みみずのたはこと】
障子に日がさして来た。障子を明けると、青空に映(うつ)る花ざかりの大きな白木蓮(はくもくれん)が、夜来の風雨に落花狼藉、満庭雪を舗(し)いて居る。推参の客は主翁に対して久しぶりに嘘(うそ)と云うものを吐(つ)いた。
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牧野信一 |
【夜の奇蹟】
鬼共はそれぞれ呪文めいた科白をうなりながら踊子に飛びかゝつて、その裾をまくらうとしたり、腕を引つ張つたりして、まことに落花狼藉の有様が展開されるのであるが、客達はこれを凝つと堪へて見物してゐるのが礼儀なのであるとの事だつた。
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林不忘 |
【釘抜藤吉捕物覚書 梅雨に咲く花】
ま、一杯呑め――花を見て俺あ朝の癩病人を思いついたんだ。彦から貰った鞐もあるし、こいつあ臭えと上ってみるてえと、勘の前だが、落花狼藉よ。なあ、勘、枝を弄(いじ)くった竹っ切も落っこってたなあ。
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海野十三 |
【雷】
「コーラ、何と云う。……」松吉は矢庭に化助の後にとびかかって、その口を押えようとする。化助は、何を生意気なと後を向いて噛みついてくる。そこで膳部も襖(ふすま)も壁もあったものではない落花狼藉(らっかろうぜき)! |
佐々木味津三 |
【右門捕物帖 お蘭しごきの秘密】
いずれもそれがならずもの、遊び人、すり、きんちゃくきりといったような風体のものばかりで、奪っては追いかけ、追いかけては奪い取って逃げ走るそのあとを、ぶっさき羽織、くくりばかま姿の上野お山詰め同心たちが追いかけながら、逃げまどうそれらの人の間をまた、雨と突然の変事におどろき逃げ走る群衆が右往左往と駆け違って、ひとときまえの極楽山はたちまち騒然と落花狼藉(ろうぜき)阿鼻(あび)叫喚の地獄山と変わりました。
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