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乱離骨灰/羅利骨灰
らりこっぱい
らりこはい
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作家
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作品
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【きりしとほろ上人伝】
美々しい物の具に三尺の太刀をぬきかざいて、竜馬に泡を食ませながら、これも大音に名乗りをあげて、まつしぐらに「れぷろぼす」へ打つてかかつた。なれどもこなたはものともせいで、大薙刀をとりのべながら、二太刀三太刀あしらうたが、やがて得物をからりと捨てて、猿臂をのばいたと見るほどに、早くも敵の大将を鞍壺からひきぬいて、目もはるかな大空へ、礫の如く投げ飛ばいた。その敵の大将がきりきりと宙に舞ひながら、味方の陣中へどうと落ちて、
乱離骨灰になつたのと、「あんちおきや」の同勢が鯨波の声を轟かいて、帝の御輦を中にとりこめ、雪崩の如く攻めかかつたのとが、間に髪をも入れまじい、殆ど同時の働きぢや。されば隣国の軍勢は、一たまりもなく浮き足立つて、武具馬具のたぐひをなげ捨てながら、四分五裂に落ち失せてしまうた。まことや「あんちおきや」の帝がこの日の大勝利は、味方の手にとつた兜首の数ばかりも、一年の日数よりは多かつたと申すことでおぢやる。
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【大菩薩峠 他生の巻】
……波濤の怒りは、この世に見る最も壮観なるものの一つですね。堂々として、前路における何物をも眼中に置かずに押しかけて来るところが壮観です。来って物に当ると怒って吼えます、そうして、たとい乱離骨灰に崩れても、崩れるその事が壮観たることを失いませぬ。
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Last updated : 2024/06/28