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霊魂不滅
れいこんふめつ |
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作家
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作品
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森鴎外 |
【かのように】
物質が元子から組み立てられていると云う。その元子も存在はしない。しかし物質があって、元子から組み立ててあるかのように考えなくては、元子量の勘定が出来ないから、化学は成り立たない。精神学の方面はどうだ。自由だの、霊魂不滅だの、義務だのは存在しない。その無いものを有るかのように考えなくては、倫理は成り立たない。
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寺田寅彦 |
【柿の種】
しかし、かの売り子がおまけにくれた鳳仙花だけは、実にみごとに生長して、そうして鳳仙花とは思われないほどに大きく美しく花を着けた。そうしてその花の種は、今でもなお、年々に裏庭の夏から秋へかけてのながめをにぎわすことになっている。 この一些事(さじ)の中にも、霊魂不滅の問題が隠れているのではないかという気がする。 |
大杉栄 |
【奴隷根性論】
なおこの時代の野蛮人は、一般にごくお粗末な霊魂不滅観を抱いていた。すなわち人が死んだ後、なお幾許かの間、生きているものと信じていた。死人の影が、地上の生活と同じような生活を、どこかで続けているものと信じていた。
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上田敏訳詩集 |
【海潮音】
ブラウニングの楽天説は、既に二十歳の作「ポオリイン」に顕(あらは)れ、「ピパ」の歌、「神、そらにしろしめす、すべて世は事も無し」といふ句に綜合(そうごう)せられたれど、一生の述作皆人間終極の幸福を予言する点に於(おい)て一致し「アソランドオ」絶筆の結句に至るまで、彼は有神論、霊魂不滅説に信を失はざりき。この詩人の宗教は基督(キリスト)教を元としたる「愛」の信仰にして、尋常宗門の繩墨(じようぼく)を脱し、教外の諸法に対しては極めて宏量なる態度を持せり。
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国枝史郎 |
【鵞湖仙人】
人間は現在活きている。だが人間はいずれ死ぬ。さて死んだら何うなるか? 勿論肉体は腐って了う。しかし霊魂は存在する。これ霊魂不滅説だ。その霊魂は何処にいるか? 霊魂の世界に住んでいる! そうして夫れ等の霊魂は、活きている人間と通信したがる
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中里介山 |
【大菩薩峠 年魚市の巻】
彼は、どこぞでひとたび霊魂不滅の説を吹きこまれてから、それが全く頭脳の中に先入していて、生きている人と、死んだ人との区別が、どうもハッキリしない。有るようで、無いようで、今まで生きていた人が、死んで消え失せたとはどうしても思えないし、そうかといって、眼前、自分の前で死なせて、お葬(とむら)いまで立会った人が、もう一ぺん、生きて動いて来るとは、どうしても考えられないこともある。尊敬すべき道庵先生に、その霊魂不滅説の根拠にまで突込んで質問をしてみたこともあるが、先生の答が、要領を得るような、得ないようなことで、おひゃらかされている。 |
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