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蓮華宝土
れんげほうど
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作家
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作品
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【邪宗門】 別してその御堂供養の当日は、上達部殿上人は申すまでもなく、女房たちの参ったのも数限りないほどでございましたから、東西の廊に寄せてあるさまざまの車と申し、その廊廊の桟敷をめぐった、錦の縁のある御簾と申し、あるいはまた御簾際になまめかしくうち出した、萩、桔梗、女郎花などの褄や袖口の彩りと申し、うららかな日の光を浴びた、境内一面の美しさは、目のあたりに
蓮華宝土の景色を見るようでございました。それから、廊に囲まれた御庭の池にはすきまもなく、紅蓮白蓮の造り花が簇々と咲きならんで、その間を竜舟が一艘、錦の平張りを打ちわたして、蛮絵を着た童部たちに画棹の水を切らせながら、微妙な楽の音を漂わせて、悠々と動いて居りましたのも、涙の出るほど尊げに拝まれたものでございます。
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Last updated : 2024/06/28