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連帯責任
れんたいせきにん |
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作家
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作品
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夏目漱石 |
【それから】
夫(それ)で駄目なら、又高利でも借(か)りるのだが、代助はまだ其所(そこ)迄には気が進んでゐなかつた。たゞ早晩平岡から表向きに、連帯責任を強ひられて、それを断わり切れない位なら、一層(いつそ)此方(こつち)から進んで、直接に三千代(みちよ)を喜ばしてやる方が遥かに愉快だといふ取捨の念丈は殆んど理窟を離れて、頭(あたま)の中(なか)に潜(ひそ)んでゐた。
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芥川龍之介 |
【侏儒の言葉】
自由
誰も自由を求めぬものはない。が、それは外見だけである。実は誰も肚(はら)の底では少しも自由を求めてゐない。その証拠には人命を奪ふことに少しも躊躇しない無頼漢さへ、金甌無欠(きんおうむけつ)の国家の為に某々を殺したと言つてゐるではないか? しかし自由とは我我の行為に何の拘束もないことであり、即ち神だの道徳だの或は又社会的習慣だのと連帯責任を負ふことを潔しとしないものである。 |
与謝野晶子 |
【階級闘争の彼方へ】
人類が連帯責任の中に協力して文化主義の生活を建設し、その生活の福祉に均霑(きんてん)することが、人生の最高唯一の理想であると私は信じています。文化生活が或程度の成熟期に入れば、そこには個人の能力に適する正当な社会的分業の生活があるばかりで、只今のように、同じ人類の内に甲と乙とで利害を異にし、甲の幸福のためには乙の幸福を犠牲とせねばならず、従って甲と乙とはその境遇に由って人格価値に優劣を分ち、生活の機会と享楽とに差等を生じる、いわゆる階級思想の如きものは、全く一掃されてしまうでしょう。
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宮本百合子 |
【男…は疲れている】
一人として、過度な緊張からくる一種の疲労を感じないもののない程、我々人間は、人間の小細工でこしらえすぎた過去の文化に対して連帯責任を持っているし、他面から考えれば、そんなことを、都会人らしい感傷と女々しさでくどくどいっていられない、大切の時機に面しているとも思います。
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豊島与志雄 |
【新たな世界主義】
林悟堂の真姿は、彼の中国語の文章の中にあるというのが本当だとしても、英文の著作の中にある彼の姿もまた、虚偽のものではなかろう。他国にある華僑たちは、その相互間に、連帯責任と相互扶助との密接な連繋があるとしても、異境に悠々自適するその生活態度は、重視するに価しよう。
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小熊秀雄 |
【小熊秀雄全集-19- 美術論・画論】
赤とか紫とか其他の原色、中間色は他の色彩との関係でどのやうにも、自分をゆづる、一つの可変性をもつてゐる。それなのに墨や金泥はこれらの色彩のやうに他の色との関係での普遍的な連帯責任をもつことをしない、この二色はさながら人間なら自我の強い、それのやうに、時には排他的な特質をさへ示す。
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